前回はボディ内部以外のポイントを確認しました。
今回はボディ内部をばらしていきます。
もくじ
ボディ全分解
では順番にばらしていきます。

まずはここから。
ボディガード
定番のT-6のへクスローブドライバーですね。

ローラークラッチ&ベアリング抑え板
続いてローラークラッチ。
ネジ3点外します。

ローラークラッチは逆さまに置いておくと、バラけにくいですよ!
ローラークラッチの下にはベアリングを押させる為に板があります。

こちらもネジ3点外します。

ボディネジを外す?!
ボディネジは、全部長さが違うようです。

ややこしいですね。
1番上は露出ネジ。
2番目がその下がローラークラッチの真下。
3番目がボディ下部(ボディガードに隠れています。)
最後がリールを裏返して反対側のローラークラッチの真下です。
ボディ内部
いよいよボディ内部です。
初見ですが、グリスが多いし少し流れています。

ギアもギットリ。

内部はほぼストラディックです。(19ヴァンキッシュも、20ツインパワーでも同じですね笑)

上位機種とはドライブギアの素材が違う位ですね。

摺動子ガイドを抜きます。

ちょっときついのでラジオペンチで引っ張ります。
サクサク洗浄していきます!!!

ベアリングはオープンタイプと交換します!!

洗浄完了です。
ベアリングはウォームシャフトに2点追加ですね。

体感としては、19ストラディック、19ヴァンキッシュ、20ツインパワーとほとんど変わらない構造でした。
なお、参考までに自重です。
リールフット 20.1g

ボディ 10.7g

巻き重りの原因
主に2点です。
まずはこれですね。

メインシャフトにかなりグリスが付着しています。

かなり抵抗を感じますね。
これはオフした方がいいです。
ピニオンギア下部と。

ウォームシャフトの下部。

ウェーブワッシャーはメンテナンス性が上がる一方、巻き重りに繋がります。
0.1mmレベルの調整だとこのワッシャーはいいんですが、0.01mmで調整が必要な箇所は使用しない方がいいですね。
ライトユースだとピニオンギアやウォームシャフトへの使用も控えた方がいいです。
いわゆるアジングなんかで、1g前後のリグを多用する場合はちょっと気になると思います。
『19ヴァンキッシュは、数か月我慢して使っていると軽くなってくる。』というユーザーの声が多い印象ですが、その理由は主に下記2点に由来すると思われます。
1.メインシャフトのグリスが流れて軽くなる。
2.ウェーブワッシャーのテンションが無くなる。
結局、低慣性リールについては、いかに抵抗を無くすかということを突き詰めていけば、使用感が劇的に変わってきますね。
おそらく20ヴァンフォードでも同じことが当てはまると思います。
組み上げ
ばらしたヴァンフォードをカスタムしながら組み上げます。
以下カスタムポイントです。
ウォームシャフト上下ベアリング追加&シム調整
ベアリングを追加することで、巻き感度が上がります。

上部は2*5*2.5mm

NMB製です。
下部は3*6*2.5mm

こちらもNMB製です!
シムはウェーブワッシャーを取り、外シムに(4*6*0.1mm)変更です。

4*6*0.1mm(もしくは0.2mm)程度のシムがあればクリアランスはバッチリです。
詰めすぎるとノイズやざらつき、回転不良につながるので注意です!
ベアリングオープン化(もしくは交換)
巻き抵抗を減らします。

ドライブギア左右のベアリングはハンドルの巻き感度に直結する箇所なので、緩めのグリスを入れるといいですね。

ピニオンギア下部シム調整
ウェーブワッシャーをキャンセルします。

縦のガタツキの調整には以下のシムを入れるといいですよ。
今回は5*7*0.2mmでちょうどでした!
ギアグリス
固めのグリスにするか、緩いグリスにするか。

グリスは流れにくいものがいいです。
注意点ですが、メインシャフトにオイルを注しすぎると、グリスが徐々に流れてしまう可能性があります。
なお、硬さはIOSギアグリスで粘度が高めで持ちが良いものがおすすめ。

いわゆるPGギアの1000番台とかだと、もっと緩いグリスもアリですね。
ボディ&ローラークラッチ&ローター
バラシと逆に組み上げていきます。

抑え板、ローラークラッチの順に。

フリクションリング等も忘れず組みます。
ローターを乗せてから、ローターナット、リテーナ、スプール受けとなる音出しラチェット等を組みます。
スプール受けのカラーをベアリングに7*11*3mmの交換。

以上で完了です!!

最後に自重を確認。

ベアリングでわずかに重くなると思いましたが、結果的にばらす前と同じ自重となりました。
構造の違い
リールフット側のベアリング抑え板ですが、19ストラディックや19ヴァンキッシュ、20ツインパワー等の金属製のボディのラインアップだとこの板はありません。

ではなぜヴァンフォードではあるのかというと、
おそらく使用するネジの問題ですね。

ここのネジはピッチネジではなくタッピングネジだったので、垂直に入り抜くく、ベアリングに均等にテンションが掛かりにくい為、ジュラルミン製の板で押さえているんだと思います。
なぜなら、ボディ素材がCI4+なので、ピッチネジはすぐにつぶれてしまいトルクが掛けれらないんでしょうね。
例えば16ストラディックCI4+でもそうですが、
バラシ&組み上げを繰り返していると各部位の劣化や不具合のスピードはどうしても早くなってしまいますね。
まとめ(後編)
19ヴァンキッシュと印象はそれほど変わらないのに、実売価格は半額~6割程度で入手可能。

ボディ内部も心配な点はほぼありません。
ベアリングの追加等カスタムするポイントはいくつかありましたが、正直グリスを抜いた影響が一番大きいですね。
シマノのCI4+は素材として強度不安はないので、現状で最軽量かつ最強の中級機です!
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