新品で購入し、2年ほど使用した22シルバーウルフSVTW 1000XG PEスペシャルですが、この度オーバーホールを行いました。
具体的な使用工具や、純正ケミカルでのオーバーホールの内容を3回にわたって紹介いたします。
もくじ
使用するケミカル
純正ケミカルを中心にOHのみの作業内容です。
主にダイワ純正のケミカルを使用しますが、一部シマノのケミカルも使います。シマノ社のもので使用するのは、摺動運動における摩耗、潤滑が目的なので、同じ性質のウレアベースのグリスであれば、他でも代用は可能です。
【ダイワ/SLP WORKS】メンテナンスグリス 300
いわゆるベイトリール用のギアグリスです。純正で添付されているもので、これを使っておけば間違いなし。
使用箇所:ドライブギア、ピニオンギア
【ダイワ/SLP WORKS】メンテナンスグリス104
ベアリング内部への充填やウォームシャフトに使用する低粘度のグリスです。ワンウェイクラッチのグリスとして使用することができます。ただしワンウェイクラッチは性質上、機種や実際の使用程度によって滑る(逆回転)可能性があるので、注意が必要です。
使用箇所:ワンウェイクラッチ、ドライブギア軸ベアリング、ウォームシャフト
なお、スプレータイプのリールガードグリスでも問題ないですが、直にスプレーだと非常に使用しづらいので、別途容器に入れて使用するなど工夫が必要です。
スーパーフィネスルーブⅡ
スプールベアリングとハンドルノブベアリングは、高レスポンス化のチューニングを施しております。淡水専用なので、汽水域での使用だと高頻度でメンテナンスする必要があると思います
使用箇所:ハンドルノブ、スプールベアリング
シマノケミカル
ACE-0(DG01)・・・ボディ内部の摺動部分
スピニングやベイトのドラググリスとして主に使用されますが、かなり広範囲に使用できるグリスです。擦れる部分に添付することで摩耗を抑制します。
ACE-2(DG04)・・・ドラグワッシャー
主にベイトリールのギアグリスとして使用されますが、DG01より粘性が高く、ドラググリスでも強めの粘りが欲しい時に使用します。
使用する工具1 ドライバー類
実際に使用する工具、ドライバー類は以下となります。
アネックス スーパーフィット 精密ドライバー -4×100
アネックスのマイナスドライバーです。
こちらはハンドルノブを外したり、ボディネジを外したりとかなり多用します。
アネックス スーパーフィット 精密ドライバー +0×100
アネックスのプラスドライバー0番です。
コスパが良く非常に使いやすいプラスドライバーです。先端の精密度がそこまで高くないので、非常に硬いネジの際は注意が必要です。
エンジニア 六角ドライバー 2.5mm
ハンドルが少し小さいので力が入りにくいですが、ボディネジを外すために必要なサイズです。
L型で最初緩めて、こちらを使うとかなり早回しが可能となります。
ヴェラ ミクロドライバー +0X60
ドイツ製のドライバーで先端の精度が良く、食いつきが抜群です。少し柔らかいので、ここぞという時に非常に頼りになります。
ダイワのベイトリールでは、マイクロネジにネジ止めが強くついているケースがあり、力の込め具合を誤るとなめたり、ネジ自体を切ってしまうこともあるので、このドライバーは持っておきたいですね。
アネックス ラバーグリップ ピンバイス収納式 No.98-R
先端にハンドルノブキャップを取り外す工具を取り付けています。ノブキャップ外しのための専用工具もありますが、専用品でなくても十分機能します。
またピンバイスとしても使えます。
使用する直径がある程度柔軟に選べるので、1つ持っておくだけでかなり流用できます。
アネックス ピンバイス 0.1~1mm No.95
待ち針や縫い針をセットして、ピックアップツールに使ったりします。ピンセットより繊細な作業が可能なので、使用頻度は高いです。
使用する工具2 便利ツール
実際に使用する工具、便利ツールは以下となります。
ホーザン ミニチュアラジオペンチ P-36
ラジオペンチでは小さいサイズですが、力もそこそこ入るので、広範囲に使用できます。
待ち針
一般的な待ち針です。
ベアリングのシールド外しに使用します。
マイクロドライバー(マイナス)
100均等で6本入りのマイクロドライバーのセットのものを使用しています。
Eリングを外す際に使います。
AMO製 リールレンチ
リールレンチです。
このレンチで10mm、11mmのいずれも対応できます。少しオフセットにナットがくぼんでいてもある程度対応できるような形状になっています。
ヘッジホッグスタジオ ベアリングチェックツール
ヘッジホッグスタジオのベアリングチェッカーです。
形成精度が良く、非常に使いやすいです。
ホーザン ピンセットPP-132
力を入れやすい形状、繊細な作業も可能です。非磁性とありますが、完全に磁性が無い訳ではないですが、金属に引っ付きにくい特徴はかなり使いやすいです。
おまけのツール、オイル
完全分解、完全OHを目指すためには、以下も必須ですね。
SLP WORKS スプールBBリムーバーII ベイトリール用
スプールベアリングはこちらを使用した方が良いです。このリムーバーであれば、作業時におけるスプールエッジへの傷を極力抑えることができます。
香川塩ビ工業 マグオイル LIGHT
マグオイルの代用品です。
長く使っていますが、特に違和感なく使えると思います。
スプールベアリング、ハンドルノブのチューニング
まずはスプールベアリング、ハンドルノブのBFSオイルによる仕上げから。
スプールベアリングの取り外し方
リムーバーの使用方法ですが、まずマスキングテープ等でエッジを養生します。
(すでにピンは抜けてますが気にしないでください。)
赤いパーツはしっかり押させていないと落ちます。
この赤いパーツが浮かないように注意しながら。
スプールに密着させて、ハンドル部のネジを回してピンを押し出します。
外れました。バネ、シム、ゴムシートの順に並べておきます。
ベアリングの洗浄
ベアリングのみを取り外します。
ベアリングですが、パーツクリーナーに吹き付けてオイル、グリスを落とします。
シールド外しができないベアリングの場合は、その際はこのガジェットを使用するとかなりきれいにできますよ。
パーツ類の超音波洗浄
パーツクリーナーで洗浄したら、超音波洗浄器できれいにします。
この作業も特に必要ではないのですが、グリスやオイルをパーツクリーナーで落とした後にカス汚れが残ったりします。その際は超音波洗浄が有効です。
ベアリングに水は厳禁なので、パーツクリーナーに浸した瓶やフラスコで超音波洗浄を掛けるとより付着した汚れ等が落ちます。
きれいになりました。
オイル注油とシム調整
スーパーフィネスルーブを添付します。
添付の際はニードルディスペンサーに入れ替えてます。
ハンドルノブはウェーブワッシャを抜いて。
0.03mmのシムに入れ替えました。
作業完了
フィーリングチェックはすべての作業完了次第行いますが、ハンドル、スプールのOH完了です。
純正仕様というよりBFS向けのチューニングなので少しライトすぎる可能性もありますが、遠投を必要とする冬場のチニング、ブリームゲーム等だと、性能を引き出す高性能なオイルが非常に有効になると思います。
次回はボディ内部の分解と洗浄について詳しく説明します。
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