ダイワ、17セオリーのチューニング依頼をいただきました。
ご依頼ありがとうございます。
初見ですが、特徴はだいたい掴めました。
症状
ハンドルを回すとシュルシュルと音がするそうです。
実際届いて巻いてみた所、ローターに干渉している可能性とギア・メインシャフトの芯ズレによる異音とゴロツキが認めれらました。
分解
さて、どうすればいいか・・・ダイワ製は経験がないものですから、手探りで調整していきます。
スプールを取ってから、スプール受けパーツ。
ローターナット。
ローターが外れました。
マグシールドユニットとローラークラッチ。
既にマグシールドレスにされているそうです。
ピニオンギアを引き抜きます。
上部分解完了です。
続いてボディを開けます。
ベアリングを止めているピンを外して。
開いて全部取り出しました。
ローターを外さずにフタだけ取れるので、マグシールドユニットを分解せず、ボディー内部にアクセス出来るので、何気にメンテナンス性は高いと思います。
ボディ全洗浄&組み上げ
洗浄しました。
ドライブギアには、IOSギアグリスを。
ベアリングはボディ4点交換してみた所、巻き感が向上しました。
まずはオイルチューンで組んでいきます。ドライブギアに0.05mmのシムを1枚追加。
ローターに干渉しているので、ローターを底上げするために、ピニオン上部のベアリングとワンウェイクラッチパーツとの間に0.1mmのシムを1枚追加。
ローターナットも分解しておかしいところが無いか確認。
3度程組んでみて、ドライブギアの軸にバリがあったので研磨して慣らしました。
メインシャフトにはボアードグリス(LDG)を添付しましたが、結局ふき取りました。グリスが多いとノイズが消せますが、やっぱり重い。
ドライブギアの内側のオシュレートギアとの接点もボアードグリス(THG)で。
ここもTHGです。
その他はグリス過多にならぬよう調整。
ベアリングも基本的にはオイルチューンにしています。ピニオン上部はグリスチューンで組みましたが、やはり軽さを出す為、IOS-PRO01でオイルチューンに。
ハンドルノブ左右はIOSオイルとわずかに少しグリスを入れています。
ピニオンギアのガタツキの調整
ピニオンギア下部のウェーブワッシャーシム0.2mmですが、ここガタツキと言うかスレ感の原因の一つになっているようです。
このシムを抜いて、変わりに0.3mmと0.1mmのシムを追加。
先ほどベアリング上部のシムは取り除いて、ピニオンギア自体のかさ上げをし、クリアランスを埋めました。
あとは、締め付けトルクの調整とメインシャフト、クラッチ内部にオイルを注油して、なめらかな回転になるように調整。
ローター周辺パーツの洗浄と組み上げ
最後にローターの洗浄を行います。
ばらして洗浄、グリスを添付して組みます。
シムを一部追加。
ラインローラーは洗浄とオイルで注油してラインローラーの回転テストを実施。
元々状態が良かったので、ほとんど何もしてませんが。
ハンドルノブのBB化
最後にハンドルノブの遊びがあったので、ブッシュからベアリングに置換。
これだけでリーリング時の感度が上がります。
これで完了です。
最後に
スプールは簡単に汚れを取り、ドラグの状態も良くATD?で一式で交換しか無理なので、ドラググリスはそのままにしています。
ギアノイズはまだありますが、ある程度は改善できたとは思います。
ありがとうございました。
参考
各ベアリングサイズを記載しておきます。
17セオリー2506
ピニオンギア上部 7*13*4
ピニオンギア下部 5*8*2
ドライブギアフタ側 7*13*4
ドライブギアボディ側 7*11*3
オシレーティングギア部 4*7*2.5
ハンドルノブ 4*7*2.5
ラインローラー 4*7*2
スプール受け、スプール内部 7*11*2.5
コメント
本日リールが届きました。
満足の行く仕上がりです。
異音がかなり消えて、巻きもとても軽くなっていますね。
またお願いしたいと思います。
ありがとうございました。