C3000HGに引き続き、17ツインパワー4000XGのオーバーホール依頼です。

こちらは合計100時間ほど使用したリールだそうです。長期間保存していたとのことです。
ボディ内部
極力ベアリングを温存し、交換したほうが良いパーツは交換希望ということなのですが、ざっと見てみてもそこまで悪いパーツもないですね。

シムが張り付いています。

ドライブギアのざらつきがあるかな?という印象ですが、シムを追加されたそうなので、その影響かどうかチェックしていきます。

ボディ内部のグリスやケミカルの仕上がりは非常に良いと思います。

ピニオンギア上部。

シムですが、0.05mmのシムが入っておりました。
洗浄します。

洗浄済みのギアですが、目視では不具合があるかわからないですね。

ベアリングですが、ボディ側は少しざらつきがあるかもしれません。

シム調整
スーパールブのみでグリスアップ。

問題はシムではないかと。

シムのゆがみがあることもそうですが、一番は組み違いの可能性です。

ドライブギアのシムですが、今回チェックすると0.30mmと0.03mmと0.03mmとなっておりました。
ご自身で1枚追加されたということでした。
0.30mm、0.05mm、0.03mm等の構成になっていることが多く、ピニオンギア上部とドライブギアのシムが入れ替わっている可能性が考えれます。

仮に0.30mm、0.05mm、0.03mmで組んでみたところさすがにきついので、元々は0.30mmと0.05mmの2枚だったのではないかと。
そして0.05mmを入れて、曲がったシムを抜いてみたところ、比較的スムーズに回転することが確認できました。

ピニオンギア上部には、0.05mm→0.03mmのシムへ変更しておりますので、ピニオンギア上部のクリアランスがきつくなっており、巻き重り感が出ていた感じがあります。
なお、ドライブギアに関しては、元々の構成0.30mm、0.03mm2枚の0.36mmですが、現状の0.35mmだと0.01mmしか変わらないので、ギアにかかる圧はわずかに緩くなった状態になります。
ギア交換
若干ギアノイズが残っているので、ギアを交換します。

シムですが、上記で調整した0.35mmとしました。元の0.36mmから0.01mm抜いた状態ですね。

ピニオンギア上部は0.03mmとしております。
ボディガード交換
ボディガードが破損しているので、交換します。

交換完了です。

最終仕上げ
仕上げを行います。ラインローラーは注油のためかフッ素グリスが抜けています。

上部を洗浄しました。

洗浄液の汚れです。

ローターの返りがおかしいという内容でしたが、ローターとベールの接続部のプラパーツが欠損しておりました。

こちらを追加。
ラインローラーをフッ素グリスで仕上げます。

スピニングSW用のドラググリスを添付します。

作業完了ですね。

ベアリングは現状のままでいけそうですね。

ウォームシャフト下のウェーブワッシャーが少しヘタっていたので、少し曲げてローター下がりの調整をしております。
ドライブギア、ピニオンギア、ボディガードの3点交換、シム調整を行い作業完了となります。
ありがとうございました。
コメント