20ルビアス FC LT2000Sを2台ご依頼いただきました。マグシールド除去とMTCWケミカルによるハイスペックチューンのご依頼です。

巻き重りとざらつきがございますね。ギア由来でなければケミカルとシムバランスで劇的に変化しますね。
ケミカルの使用箇所をメンテナンスのために教えてほしいということなので、個別に紹介していきます。
リール上部のオーバーホール
上部を分解。

ラインローラー、スプール、ハンドルノブに使用するオイル・グリス
スプールウケ、

ローターベアリングはMT-02を使用。粘度が高いので、回転抵抗がかかっても違和感が出ないところを中心に注油します。
ドラググリスはMTDG-02を使用しました。

MTCWのドラグワッシャーに交換されています。推奨グリスが02もしくは03で、オーナー様は03を使用なさっているので、02で仕上げてみました。
ラインローラー、ハンドルノブはMT-01を中心に仕上げます。

ハンドルノブはMT-01を単体で。

ラインローラーはMT-01に加えて、MT-02で粘性をコントロールします。

ローターナットベアリングの交換
ローターナットベアリングはMT-00をメインにノイズをチェックしながら、

MT-01を少し添付。
ベアリングのシュルシュルノイズがあったので汎用ステンレスに交換しました。
摺動部のグリスアップ
ローター周りの摺動部はシマノDG01を使用しています。

上部完了です。

ボディ内部のオーバーホール
マグシールドを除去します。
マグシールド除去
マグオイルが多い個体でした。

シールド力は高くなりますね。

実際は巻き抵抗は使用している段階では薄れていくもののファーストキャスト時の巻きはじめは重く感じるものです。
マグネット部を除去。

きれいに接着剤を取りました。

内部の状態チェック
ボディを分解していきます。

汚れ具合をチェック。おそらくギア摩耗でしょうか。少し黒ずんでます。

パーツを抜きました。

洗浄完了です。

洗浄液の汚れ具合はこんな感じです。

ボディ内部のベアリングの注油
ドライブギア左右はMT-02を使用しました。

ピニオンギア上下はMT-01

オシュレートギア内部のベアリングはMT-02を添付。

ワンウェイクラッチはMT-00ですね。

使用するギアグリス
メインでMTGG-Tを使います。ほとんどこれ単一です。

ボディ側に添付して。

オシュレートギア裏面にも添付。
メインシャフトの摺動部分にも。

そのままだと少し重たいので、MT-01で粘度調整です。

ドライブギアはMTGG-Bを少し足してやります。

シム調整&バランスチェック
ドライブギアのシムをチェックします。

遊びが全くないので、重さに直結しているように思います。

0.20mmでしたが、0.1mm分抜いて、0.08mm分シムを入れてやります。
ダイワのリールはシムクリアランスが極端にシビアでして、ギア消耗が早くなると思われます。ただ、消耗してもあたりが付くという表現がありますが、滑らかな個体もありますので、なかなか難しいところではございますね。
マグシールドキャップと取り付けます。

コーティング剤で磨いて。

組み上げました。巻き感は滑らかですが、シュルシュルノイズが出ていますね。
ピニオンギアのベアリングを交換します。グリスのまま使用します。

組んでみますが、ざらつきを感じますね。個体精度の問題かもしれません。
ギア消耗しているためでしょうか。

ベアリングを再チェックします。

ドライブギア左右のベアリングも交換します。新品の汎用ステンレスを洗浄してMT-01のみで仕上げてみます。

フィーリングはよくなりましたが、ギアノイズが消えないですね。ギアクリアランスを設けたことで巻きの軽さが出ましたが、感度が上がったことでノイズが立つようになっています。

ギアを交換したらよくなると思いますが、ボディバランス崩れによる不具合だと、ギア消耗を起こすかもしれません。
シムの問題でしたら、ギア交換しても長く持つとは思います。
ありがとうございました。

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