21プレッソ LT2000SS-Pのグリッチオイルケミカル指定でのハイスペックチューンのご依頼です。

以前、23エアリティ5台ご依頼いただいた方です。

リピートでのご依頼ありがとうございます。
SLPでエアローターにアップグレードされた個体のご依頼です。ラベルAの個体にゴリ感があり、Kラベルには違和感があるそう。触ってみても確かにAラベルのほうがノイズが強いですね。

ハイスペックチューン(A)
ハンドルですが、ZPIのプロアームに変更されています。

分解してみて、フランジベアリングのノイズがあるんですよね。ただ、ベアリング交換してもノイズが取れない、もしくはすぐにノイズが立つ可能性があります。

タンブルウィードで仕上げてみましたが、ロサで熱処理してノイズが下がるがやってみたところ多少改善しました。
なお、汎用ステンレスのベアリング交換は可能です。
ラインローラー分解。

スプールも分解。

ドラグワッシャーにはファイブフォーカス製のドラググリスを添付。

ラインローラーはパッシブで仕上げました。

ボディを展開。

内部汚れがございますね。

ギアはそこまで摩耗していないような印象です。

洗浄実施。

パーツクリーナーの汚れです。

ファイブフォーカスのプレミアムマテリアグリスを添付。

この個体シムがきついんですよね。クリアランスがほとんどない。

0.23mmでしょうか。色の違うシムは0.03mm??0.02mmのシムもありますかね。ノギスで測っても0.01mm単位だとよくわかりませんね。

いったん0.02mmのシムを抜いて組みます。

ドライブギアのハンドル側のベアリングがかなり動きが渋いので、HRCBベアリングに交換です。少し不思議なのは、ピニオンギア下のベアリングにはノイズがほとんどない状態なんです。
かなりの確率で交換となるんですが以外でした。
また、ローターナットベアリングもノイズが強いです。

こちらもHRCBに交換しました。

ドライブギアのシムですが、0.02mm抜いて、外シムとして0.01mm追加してテストを行いました。
シムは追加せず、作業完了しました。

ボディ内部ベアリングはタンブルウィードで仕上げました。
クリアランスとしては0.01mm分追加したほうがよさそうなんですが、巻きの軽さやノイズを考えるとシムを抜くのみがよさそうですね。
ハイスペックチューン(K)
こちらの個体はノイズも少なくスムーズな印象です。

使用感が強いのかもしれません。
リール上部洗浄。

1台目とほぼ同じ内容で組み上げました。

ラインローラーベアリングに少しシュル感が出ていたので、タンブルウィードを追加しております。
ボディ内部を開いていきます。

グリスがオイルで少し緩んでいますね。

一台目とは汚れの感じが違います。
ギアですが、こちらのほうが使用感があるのかもしれません。

ピニオンギア下周りに緩んだグリスとオイルがたまっています。

状態としては、グリスが緩んで巻き感が軽くなっている状態のようです。
洗浄実施。

パーツクリーナーの汚れです。

1台目と同じなのはドライブギアのベアリングの違和感ですね。

また、摺動部にスレが出ています。

交換は不要ですね。
プレミアムマテリアグリスでグリスアップします。

組んでみて、ピニオンギア下のベアリングは交換したほうがよさそうですね。

シャラシャラとした感じが抜けず。
高耐食ベアリングで組んでみましたが、HRCBをタンブルウィードで仕上げました。

一度組んでみて違和感が取れないので、改めてボディ内部をチェックしてみるピニオンギア上部のベアリングにシャラシャラ感が出ていました。

ベアリング下のシムも0.10mmのみでしたので、0.05mm分追加。ロサを熱処理しましたが改善せず。
汎用ステンレスベアリングに交換しました。ロサとタンブルウィードで仕上げております。

合計3点交換となっております。

こちらの個体はドライブギアのシムを0.02mm分抜いて、0.01mm分入れてます。クリアランスはちょうどいいんですが、こちらも軽さを考えて組んだ結果です。
2台作業完了しました。

ギア交換するべきかどうか、正直な所交換しても大きな変化がなさそうですね。まだこの状態で使ってみて明らかなギアのシャリ感が出てきてからで良いような気がします。
23エアリティと同じように仕上げてみましたが、20ルビアスベースなのでやはり仕上がりは23エアリティのほうが良いですね。
この度はご依頼いただきありがとうございました。
