23エクスセンスXRと24ツインパワーのチューニングのご依頼です。

24ツインパワー4000MHGですが、スプールが下がる時のパタパタ音が気になるということでご依頼いただきました。チューニングをご自身でされているのですが、ヌメ感を出すためにチューニングすると抵抗感が出てしまって同様の症状が出ることがございます。
リール上部のチューニング
BOREDケミカルで22ステラ機種をチューニングするのは、相性としては非常にシビアなんですが、ケミカルバランスを誤らなければ問題なし。シルキーな巻き心地を希望されているので、極力シームレスな巻き心地をめざします。
IOSのSシステムを搭載しています。

リテーナーが破損しているそうで、まだ手配中です。

BB化されています。構成は問題なさそうです。
洗浄します。

ラインローラーもIOSインパクトですね。

BOREDケミカルでしあげます。NEMEAをベアリングに、周囲にBSLUを添付しておきます。ハンドルノブも同様のチューニングです。

シムですが、0.70mmでしたが、0.68mmへ変更です。

少しざらつきが出ているので、ベアリング2点交換します。

ラインローラーと同様のチューニングしておきます。BSLUは防錆のために物理的な遮断を目的にパーツ表面添付しています。
ドラグワッシャーはALPHAを使用します。

ここまでは順調ですね。

ボディ内部の分解と調整ポイント
ローラークラッチを取り外す際にばらけるリールがあります。個体差ですが、取り付け位置のわずかなズレがあるのかもしれません。

ボディ内部です。

ピニオンが少し焼けていますね。

全バラシします。

グリスのバランスが悪い所はここです。

中間ギア大のボディ接点でシュルシュル音が出ます。コトコト・パタパタという音になるのは、テンションがかかりすぎてしまうことに由来することが多く、粘性の高いグリスが入っているとその症状が起きます。
全体的にグリス、オイルが多いですね。

このギア面へのグリスが問題だったりします。

ピニオンギア下のOリングが膨張してしまっておりますので外します。
洗浄完了です。

パタパタ音解消のチューニング
チューニングのポイントとしてですが、中間ギア軸の上部バネを抜いてやります。そのまま組むとカチカチノイズ(リーリングストップ時)が出る場合があるので、クリアランスを0までもっていくわけですが、中間ギア大下にシムを入れて調整します。
軸と抑え板とのクリアランスチェックを行い、テンションがかからないかを確認するわけですが、中々説明が難しいですね・・・。
まずベアリングですが、一部洗浄しております。

ドライブギアハンドル側とピニオンギア下ですね。いずれもこのまま使えそうなので、BOREDのBSLUとNEMEAを添付しております。
追加ベアリングはウォームシャフト下です。

シム調整しております。0.55mmですね。
ベアリング固定ボルトを交換。少し舐めてしまったそうで交換のご指定いただきました。

今回は、軸下部に0.20mm分のシムを追加して軸は加工なしとなりました。
ケミカルはBOREDのOMEGAを中間ギア、ウォームシャフトに添付しております。粘性を下げるためNEMEAを追加。ドライブギアはDELTAをメインにOMEGAを追加しております。

メインシャフトは無添付にしています。ここは少しOMEGAを入れてもいいのですが、メインシャフトに注油すればヌメ感が出てきます。
やりすぎると重くなるので注意が必要ですが、気にしすぎも良くないですし・・・。
ただ、できれば極力注油しすぎないほうが、安定したフィーリングになると思います。実際にやってみないと体感できないので本当にメンテナンスの難しい所ですね。
ローラークラッチはCHIMERAを使用しました。

メインシャフトはBALBOAを1滴のみですね。

ほぼ作業完了です。
後はリテーナーを交換すれば完了となります。届き次第作業いたしますね。
リテーナー交換(2025/2/21追記)
リテーナーが届きました。

交換にて作業完了となります。

ありがとうございました。

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