19ヴァンキッシュ2台オーバーホールのご依頼をいただきました。フルベアリングカスタムとハイスペックチューンのご依頼です。ここ最近作業しているのがヴァンキッシュばかりでヴァンキッシュ祭りのような状態です。
2500Sから作業していきます。
2500Sのハイスペックチューン(グリッチオイル)
こちらは中古で購入された個体だそうです。

ラインローラーは純正で、フッ素グリスが仕事をしているので、ざらつき等は出ていないようです。

洗浄します。

ハンドルノブの交換
リブレのEF30に交換。

シムは0.73mmでした。
バリアルのノブがなかなか取れないんですが、ガムテープ等で軸とノブを固定するとトルクスネジのみを回せますよ。
ラインローラー仕上げ、ドラグワッシャーの交換
ラインローラーはフッ素グリスで仕上げます。

ドラグワッシャーは交換、MTCWのジャークグリスを指定いただいております。

写真がぼけてしまいました。
私の個人的な意見ですが、ドラグワッシャーはMTCWのものが、効きとバランスが良く、またラインナップが多くて一番使いやすいですね。

上部は完了です。

が、、、間違えてハンドルノブを交換してしまいました。
現在ついているバリアルのハンドルノブを取り出して、もう一台についているリブレのフィーノプラスに交換希望でした。

フィーノプラスは内部インナーが外れてしまっておりますね。

組むことはできますが、若干精度が甘い状態です。

付け替えました。

いずれもグリッチオイルのロサを添付しました。
ノブを交換しましたが、入れたシムの量は変わらず。ハンドル軸の遊びがあって少しノイズが出てしまいますね。ベアリング自体も少しシュルシュルしているように思いますが、軸のクリアランスがあり、新品のベアリングを入れてもノイズがわずかに出ると思います。
ボディ内部の状態
ローラークラッチ内部のオイルがすごいです。

ボディ内部もオイルでギトギトです。ギアのグリスが完全に浮いています。

中間ギア、ウォームシャフトもグリスが溶けてオイルが充満しています。

ギアが偏摩耗しておりますね。

ベアリングもグリスが抜けてしまってオイル付けになっております。

洗浄完了です。

汚れです。汚れというか、オイルとグリスを流した状態ですね。

ベアリングノイズが出ているため3点交換し、ピニオンギア下のベアリングを追加します。

ドライブギアの摩耗と変形
ドライブギアですが、変形していますね。リブレ等のハンドルだと圧がかかってベアリングが抜けづらくなったりします。

ギアの歯面にくっきりと痕が見えます。

どの程度ざらつきの原因になっているか、軸を少し研磨してからテストします。

グリスアップ、仕上げ
プレミアムマテリアグリスのノーマルとハードを混合して仕上げました。

中間ギア周りはノーマルタイプ、ウォームシャフトはオイルで粘度調整しております。
ローラークラッチはパッシブを添付します。

これはギアが完全にアウトですね。ベアリングノイズがなくなったことで、ノイズをより感じる結果になりました。

ギアを押し付けずに巻くとあまりノイズを感じないので、ギア交換すれば良くなると思います。ギア手配中のためしばらくお待ちください。
C3000SDHのハイスペックチューン(IOSケミカル)
続いてC3000SHDのチューニングです。こちらの個体のほうがノイズが小さいですが、ベアリングのざらつきを多少感じますね。

リール上部のOH
ラインローラーは現状のままで問題なしですね。

洗浄します。

こちらはジャークグリスのLIGHTのご指定です。

ドラグワッシャーの枚数が多いので、ライトで仕上げるとしっかりと効いてくれます。

上部完了です。

ハンドルは先ほど作業終えており、シムの追加はございませんでした。
ボディ内部の状態は?
こちらの個体もグリスが寄っているのがわかります。

特にウォームシャフトギアと中間ギアのグリスが寄ってしまっており、ギアの歯面にはあまり残っていないようです。

ベアリングもグリスが少し抜けているようなフィーリングです。

2500Sとは対極的で、ハンドルとは逆のボディ側のベアリングのノイズが強く出ておりました。ピニオンギア下部はいずれもシュルシュルです。
洗浄済みです。

こちらもグリスとオイルが多いですね。

ピニオンギア上部のベアリングが若干気になりますが、温存しております。

こちらも3点交換+1点追加です。
偶然ですがドライブギア左右、ピニオンギア下と同じ個所の交換となりました。
ギアをチェックとシム調整
こちらの番手に関しては、摩耗しているかどうかは正直ギアを見てもわからないです。

作業してみて仕上がりで状態をチェックします。
中間ギアのシム調整。

ウェーブワッシャーを抜いて0.07mm分入れました。
ウォームシャフト下もウェーブワッシャーを抜いて。

トータルで0.33mmでテストしましたが、わずかにきついので、0.32mmで仕上げております。

若干クリアランスが大きいです。19ヴァンキッシュは0.3mm位がほとんどであまり差が出ないですが。
ドライブギアはIOSギアグリスを添付します。

しっとりとしたフィーリングに。
ローラークラッチには、IOS-01を添付して仕上げます。

まずピニオンギア上部ベアリングとボディの間に外シム0.05mmのシムが入っていますが、かさ上げするメリットがないですね。
この個所はクリアランス調整は不要な個体でした。
なお、シムを抜くとピニオンギア上部のローターナットのテンションがきつめになってしまいますが、23ヴァンキッシュはもっときつく締め込んでますし、構成としては、なくていいシムです。
ピニオンギア上ベアリングの上部に内シムを入れてテンション調整することは検討できます。
一度組みましたが、ドライブギアのシムがキツいです。
かなりきつい印象ですね。0.18mm(0.075mmのシムだと思いますが。)ですが、0.16mm迄減らします。

ピニオンギア上部のシムと0.01mmのシムをいれました。クリアランスばっちりです。
いったん作業完了しております。
こちらのC3000SDHの個体はギアのざらつきかどうか微妙なフィーリングです。

もし、新品のギアに交換してみて改善されない場合は、ウォームシャフト下や中間ギアのウェーブワッシャーに戻したほうがよさそうですね。
いずれにしてもギアを手配いたしましたので、届きましたら最終調整を行います。
コメント