ギアの手配に時間がかかり、お盆を挟んでかなり納期をオーバーしてしまいました。申し訳ございません。
19ヴァンキッシュ C2000SHGの3台の最後、04号のラインを巻いた個体のハイパフォーマンスチューンです。
先の2台と使用ケミカルはグリッチオイル指定で作業しております。
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この個体が一番時間がかかりました。
オーバーホール
ローターを洗浄。
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ラインローラーはシュルシュルノイズが出ていますので、交換した方がいいですね。社外製にご自身で交換するとのことですが、もしこちらで作業が必要でしたらおっしゃってください。
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ボディ内部です。
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全洗浄しましたが、写真を撮り忘れてしまいました。
パーツクリーナーの汚れです。
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ざらつきの原因はベアリングとギアでした。
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ピニオンギア下、ドライブギアボディ側の2点のベアリングを交換とウォームシャフト下にベアリングを追加。
シムは0.30mm
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中間ギアは0.18mm
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何が難しいかっていうと、ピニオンギアのクリアランスが少しおかしいんですよね。
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ベアリングのカサ上げで0.05mmのシムが入っているんですが、ピニオンギア下は0.45mmで組んでみてある程度がたつきが消えるのですが、ラジアル方向へのがたつきがあるんですよね。
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一応現状にギアでグリッチオイルのグリスを使用して仕上げます。
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ベアリングの交換でざらつきの6割・7割は改善しました。ドライブギアのシムは少しきついものと思って作業していましたが。
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ハンドルがコリコリと鳴るんですよね。音がするわけじゃないんですが、クリアランスでがたつきが出るんです。シムで調整不能な箇所ですが、極力遊びを減らしていきます。
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ピニオンギア上部のシムを0.05mmから0.025mmへ。
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ピニオンギアは0.43mmで仕上げました。
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ざらつきは減ったもののコリコリしたフィールがなくならないです。
ギアを交換してテスト。
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この辺でクリアランスがおかしいことに気づいて再度調整しています。
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一度ピニオンギア下のシムをウェーブワッシャーに戻しましたが、あまり変化が無いんです。
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問題としてはクリアランスを作るとコトコトと違和感がでるので、極力シムを詰める方向にしています。もともと入っていたギアはクリアランスを埋めるとざらつきが顕著に出るので、ドライブギア、ピニオンギアは交換です。
シムはピニオンギア下が0.46mm
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中間ギアやウォームシャフトギアも交換してみましたが、2点交換で問題無さそうです。
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で、ドライブギアのシムは0.18mmだったのですが、0.01mm分追加して0.19mmへ。
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かなり組み上げに時間がかかりましたが、ここまでクリアランスが大きい個体も珍しいです。
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クリアランスをなくした状態でも、少しコトコトとしたフィーリングがあります。他の2台に比べてボディ精度があまり良くないものの、コトコト感が無ければかなりスムーズな個体です。
将来的にシムがきつくてギア摩耗が早い可能性がございますが、緩めに組んでも影響がありそうですし、この調整は盲点でした。
完全にとり切れれば良かったのですが、またハイパフォーマンスチューンで組むか悩みましたが、最終的にはある程度調整できたと思います。
ありがとうございました。
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