前回はインフィニティループを実装できるか検証しましたが、24ヴァンフォードの2500番は難しいということがわかりました。
では定番のベアリング追加カスタムが可能かどうか、くみ上げのタイミングで検証したので紹介いたします。
ウォームシャフト上下追加
全バラしした状態です。
上下にベアリングを入れる場合。
下部はベアリングとブッシュを交換して、若干シム調整(0.1mm~0.2mmくらい追加ですかね・・・)をすれば問題ないのですが。
上部はそういうわけにはいかないんですよね。
23ストラディックと同様ですが、ブッシュのサイズが4.7mmほどあるので、単純にベアリングの厚みが2.5mmなので2.2mm分足りない。
そこで上部の形状に合わせて、ブッシュを用意。
2*4*2mmのサイズのブッシュです。
ブッシュの下にベアリングを入れますが、
これで組むと上部に0.2mm分ウォームシャフトが上がってしまうので、スプールシャフトを1枚ほど抜いてやる必要があります。
※もしくは0.2mm分のシムを上部に追加してやればOKですが、なかなかないサイズ感。
このままBOREDケミカルで組んでいきます。
ドライブギアはALPHA。
ウォームシャフトはOMEGA。
いろいろと試してみたんですが、特に上部のベアリング追加はデメリットのほうが大きいんですよね。調整難易度も高いし、実際パーツのバランスが悪いと巻き心地は良化しません。
こちらで用意した個体の巻き感がそこまでよくなったかったこともあり、結局ブッシュに戻しました。
ローターナットベアリング、スプール受けベアリングの追加
今回は作業していないのですが、対象となるパーツや作業内容は23ストラディック2500SHGと同じなので、こちらの記事を参考にしてください。
24ヴァンフォードのハンドルノブには、すでにベアリングが2点入っているので、追加は不要ですね。
(補足)シム調整とボディバランスについて
この世代の個体はシムバランスが比較的安定してるのですが、18ステラ世代はきつめに組まれていることが多かったです。
ただ、直近はまたクリアランスがなくなってきている印象を受けます。
というのも、ギアの摩耗??消耗でしょうか??波面が少し気になる状態でした。
今回は0.20mmでしたが、0.18mmで組んでみました。ボディバランスの問題でクリアランスを詰めるとギアに傷が入る状態だと極力長期間使える調整にすべきですよね。
この辺はくみ上げ工員の技術の問題を超えて製品の精度の問題なので、手元に同様の個体が来たときにどのように対応すればよいか、迷う所だと思います。
極力付き合っていくのであれば、コストをかけずにごまかす作業を行うほうが良いですね。この観点でチューニングする場合は、ベアリングは追加しないという選択肢になるわけです。
チューニング完了
結局ベアリング追加せずとなりましたが、ケミカルの入れ替えとシム減らしを実施。
個体によってはウォームシャフト上下をベアリングに置換するカスタムが良くなる可能性もありますが、プラカラーブッシュで受けるほうが印象が良い個体もあるんですよね。
ベアリング化する際に注意したいポイントですが、
ベアリングを入れたら巻き心地が良くなるという内容を鵜呑みにせず、作業している個体の状態に応じて個別の調整が必要になることを理解した上で作業を行いたいですね。
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