前回の記事では24ヴァンフォードとのボディ内部の比較を行いました。

今回は改造の可能性を深堀していきます。チューニングのポイントもまとめておきました。
25アルテグラは密巻き化できる?
前回記事に乗せている24ヴァンフォードのインフィニティループ化の検証記事の内容通りではありますが、結論として、25アルテグラはインフィニティループ実装は不可能です。
シンプルにボディ構造上密巻きのためのギアを収納するスペースがないんですね。
一方、23ストラディックは密巻き化できるんです。

25アルテグラより23ストラディックを購入する理由とは?
25アルテグラと23ストラディックの違いは、
- スプール受け
- メインシャフト
- 足つきフタ
の3点のみで、極力コストをかけずにリールを検討する場合は25アルテグラに軍配が上がります。
しかし、改造の観点で見ると、23ストラディックを購入する理由が見えてくると思います。23ストラディックは改造ベースとしては非常に面白い機種です。
将来的に改造まで考えている方は23ストラディックで分解を勉強するのは非常に最適なリールです。
しかし、23ストラディックを購入する際の注意点が2つあります。
1点目:23ストラディックの密巻き改造はかなり特殊な内容となります。コストカットのために安価なリールでスペックUPと考えている方は素直に24ツインパワーを買ったほうが幸せになれます。
2点目:23ストラディックの密巻き化は1000番ボディには適用できないです。
25アルテグラの7BB化のカスタマイズとその他チューニングのポイント
25アルテグラの7BB化について紹介していきます。
まずは定番の2つで4BB追加。
- ハンドルノブ2BB化
- ウォームシャフト2BB化
以下で3BB追加となります。
- ローターナットベアリング化
- メインシャフト交換によるスプール受け1BB化
- メインシャフト交換と上位スプール変更によるリジッドサポートドラグ化にて1BB追加。
巻き心地が大きく変化するかというと、コストと割に合わないかもしれません。それぞれ確認していきます。
ハンドルノブ2BB化
どのリールでもありきたりな内容ですが、ハンドルノブはブッシュで受けているのでこちらをベアリングに交換するだけです。

対象サイズと用途に合わせて購入してください。

以下にてアフィリエイトリンクを乗せておきます。
淡水は汎用ステンレスで十分。

磯やオフショアだと高耐食がオススメです。

ウォームシャフト2BB化
定番のウォームシャフト2BB化カスタムです。
この世代のウォームシャフトの形状は23ストラディック、24ヴァンフォードも同じです。ウォームシャフト上のカラーは2段形状になっており、全体で4.7mmほどの厚みがあります。

そのため、シンプルにベアリングのみ交換すれば良いわけではなく、ベアリング上部に内径2mm×外径4mm×厚2mmのカラーを入れてやる必要があるんです。(上部写真のベアリングに挟まれている白いカラーブッシュです。)

今回の25アルテグラの場合ですが、純正のシムを残した状態で追加するシムの厚みは0.40mmでした。

そして対象のベアリングが520ZZ。

厚みが2.5mm厚、カラーと合わせても4.5mmとなり、0.2mmほど足りない。

また、ウォームシャフト下部のベアリングを入れると若干シム調整が必要になるため、おおよそ0.3~0.5mm程度の調整が必要になってきます。

下部に入れるベアリング630ZZはこちら。


上部BB化したものと純正を比較した写真が以下です。

ちょっとテクニカルですが、上部にシムを足すことも可能で、その際は内径3mm×外径5mmのシムを用意してください。
下部にもベアリング、シムを追加しています。

内径4mm×外径6mmのシムが合います。
オンラインショップにてウォームシャフトBB化のためのセットを販売しております。
ウォームシャフト2BB化における注意点
ウォームシャフト2BBカスタムで注意したいポイントですが、メインシャフト+スプールが重い機種には、感度UPがノイズを拾う可能性があるということです。
どういうことかというと、
低価格帯のモデルに限ったことではないのですが、
個体によってはボディそのもののパーツ精度が甘くセンターがずれていることや、ウォームシャフトとメインシャフトの位置関係が甘くプラブッシュで組んだほうがうまくごまかせているものが存在します。
ウェーブワッシャーキャンセルも同じ論理でして、不良個体はカラーブッシュとウェーブワッシャーで違和感が緩和されてある程度使える状態になっています。
そのため、精度が良いリールは改造することで巻き心地や感度がUPして使いやすくなりますが、精度の甘いリールは本来の違和感やノイズを顕在化させてしまう可能性があるんです。
そのため、コストをかけても良くならないケースがあることを認識いただけると個体に応じたカスタムを意識するようになると思います。
(参考)メインシャフト交換による2BB化とローターナットベアリング化
前回紹介したメインシャフトの交換と上位機種のスプール(XRシリーズ、TP、ヴァンキッシュ、夢屋、ステラ等)へ変更にて。

プラス2BB確定します。
ローターナットBB化は23ストラディック2500SHGと同じです。

上記記事を参考にしてください。
(参考)中間ギア軸の調整方法
かなりマニアックな調整内容なので、あくまで参考としてください。
25アルテグラに限った内容ではありますが、22ステラ以降の機種に関しては、中間ギア軸をバネで抑えてウォームシャフトのカチカチノイズを提言する構造になっております。
見た通り、ギアを入れないと貫通するボディ構造になっています。

軸の上部にはバネが入りますが、バネを入れた状態だと圧かかりボディと中間ギア大に摩擦が発生、シュルシュルノイズが発生する個体があります。
この違和感が発生する原因は、ボディと軸が垂直でない、メインシャフトとの位置が甘い、等の原因がある個体だと思われます。

その違和感を解消するための改造、シムによるクリアランス調整で圧を極力逃がして、ノイズそのものを低減するカスタムです。
こちらに入れるシムも特殊サイズでして、内径2×外径3mmのものを入れます。厚みはリールの機種、個体によりばらつきがありますが1.0mm~2.0mm位が多いです。
シムを入れた際にクリアランスが完全になくなってしまうと、ベアリング抑え板の取り付けにより抵抗感が出てしまいます。
その際は軸の上部を削り、極力クリアランスの0ポイントを見つける作業を行います。
(参考)Oリング小径化
ドライブギア左右にOリングが搭載されており、サイレントドライブに貢献しています。
このOリングがギアが押し込まれた状態で止まってしまうことがあり、ギアが押し付けられた状態でリーリングするとゴリ感を感じる個体があります。

写真の通り、小径化したOリングに交換してやることで、圧を緩和して極力ギア接地面に圧がかからないように調整します。
純正のOリングは内径6mm×外径7mmですが、内径を0.5mmマイナス、1.0mmマイナスに減らしてやるとギアをギリギリのテンションで保持して、左右の挙動を損なわず組むことが可能です。

フタ側のベアリングの内径は8mmなので、ボディ側のみ0.5mm分小径化したOリングに変更するだけでも印象が異なってきますね。
25アルテグラまとめ
シンプルにまとめます。

25アルテグラは、22ステラベースのボディ構造にて基本的な機能を踏襲した低価格ながらも、非常に性能の高いリールです。

25アルテグラ単体を見ると改造の余地はいくつかありましたが、
スペック上のベアリング搭載数や機能性から考えた際、改造により同一スペックに仕上げるよりも、単純に上位機種を選択するのが最もコスパが良いと選択となります。

しかし、コスト感を考えずカスタムしたいという方には、25アルテグラ、23ストラディック、24ヴァンフォードあたりは魅力的な機種ですね。

中でも使い倒したアルテグラをスペックアップしてみたい、改造を経験したいという方には非常に着手しやすい機種ではないでしょうか。
本記事はかなりマニアックな内容も含みますし、個体によっては合わない改造もございますので、その点を認識いただいたうえで参考にしていただけると嬉しいです。
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