23エアリティLT2000S-Pの軽巻きチューン依頼です。

先に作業したヴァンキッシュ2台とまとめて3台のご依頼です。
マグオイル漏れ
少しシャリシャリとした違和感がありました。分解してみたところ。

マグオイルが漏れていますね。

ローターナットも少し緩んでいました。
ハンドル、スプール、ローターを洗浄しました。

ラインローラーマグレス化
エアドライブデザインのローターを分解します。

このローターの分解作業やラインローラーのマグレス化の動画などがあまり出てこないようなので、作業内容を公開します。
ラインローラーベアリングもマグオイルまみれです。

マグカラーの向きに注意。
左側の上向きが外側です。

右側は内側ですね。軸の太いほうが内側ですよ。
なお、マグカラーの厚みは0.9mmです。

マグカラー1つに対し、3*5*0.3mmのシムを1枚、3.2*4.2*0.5mmのシムを1枚と交換します。そのため、シムは2セット必要ですね。

交換パーツを並べました。この通りに組んでいきます。ちょっとシャリ感が出ていましたが、まだ使えそうです。
BALBOAで仕上げます。
磁気による抵抗感が解消します。
ローターの組み方
形状が大きく変化があったローターですが、構造自体も変化が大きいですね。ベールの固定はEリングを使用しますが、これが結構面倒くさい。
また、ベールを返したときにクリック音が追加されています。

ベールキックを押し出すプラパーツですが、ここにバネとピンが組まれています。
まずはアームカム(ダイワさんではアームレバーです。)にプラパーツをかませます。

レバーシャフトを入れる穴が開いていますので、ここをふさがないように取り付けます。

レバーシャフトをはめてから取り付けます。

裏側はEリング取り付け済みです。
先ほどのバネとピンを取り付けます。

わかりにくいので拡大。

見えないですね。ポチが小さいほうが外側ですよ。

あとはカバーをかぶせて、ねじを止めます。内側にねじを入れて、対面からトルクス6番で締めます。それから順番に組んでください。
※簡単に書きましたが結構ムズイ部類です。
これでラインローラーはスムーズに回転します。

小満屋ドラグに交換、ハンドル調整
持ち込みで小満屋ドラグに交換です。

洗浄して。

単に載せるだけ。

オイルを3~5滴たらします。BALBOAを使用。
ハンドルノブのシムが多かったので、ウェーブワッシャーを抜いて。

0.03mmのシムを入れました。オイルは同じくBALBOAです。

少しハンドルノブのベアリングのシュル感がありますが、その他は問題ないと思います。
ボディ内部です。

まあまあ使用感が出ています。

グリスが少し抜けている感じも受けますね。

オシレーティングギアとメインシャフトの接点が黒く変色しています。
洗浄します。

洗浄液の汚れ。

マグオイルの色がついているので実際はそこまで汚れてはいないです。
ベアリングを洗浄しました。

若干雑味がある個体もありますが、LIGHT DUTYを添付してこのまま使用します。
ドライブギアにはALPHAとウォームシャフトTHETAを添付します。

オシレーティングギア周りはTHETAを添付して、
NEMEAで粘度調整をしてスムーズに仕上げます。

マグシールドプレートは加工せずにオイルのみ抜きます。

このプレートを除去するとパッキンが固定できないので、完全にマグネットを抜くにはマグシールドプレートの改造が必要ですね。
作業完了しました。

ワンウェイクラッチはCHIMERAで仕上げております。
回転時に少しざらつきが残りますが、若干ギアのシャリ感があるのかもしれません。依頼時の状態と比較すると巻きノイズは低減して、軽く滑らかに仕上がっていますね。
ありがとうございました。

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