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カスタムレポート 18ステラ 1000SSSDH パワーギア3点交換&ベアリング4点交換

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今回は18ステラ1000SSSDHをお預かりました。

やはりプラグシップモデルです。

非常に綺麗な外観、手に取ってみて下位機種との違いは歴然です。

症状

シャリシャリ感があるとのことでした。

実際はギアノイズがあり、特に低速時にざらつきを感じます。その他はそれほど問題はなさそうでした。

各重量

TOTALで176.7g

素晴らしいのはローターです。他の機種とは違いマグネシウムで作られたローター。

分解&清掃

メインシャフト、リテーナ付近に汚れがありました。

この時点で水没していたのかもしれないと仮説を立てて、交換が必要なパーツを探します。

ローターナットでメインシャフトを支える仕組み。

ローターカラーは非接触の撥水処理によるラビリンス構造のX-プロテクトです。

ローターに特に目立ったキズは無いので、ボディが接触していることも無さそうです。

18ステラ、実はトルクスネジは使われていないのです。

ボディガードを外すためには3mm程度のマイナスドライバーが必要。

ローラークラッチを外すためには、00番のプラスドライバーが必要。

ローラークラッチ組ですが、オフィシャルでは、交換の際は修理依頼になるようです。

確かに抑え板で仮止めしているだけなので、ちょっとした操作ミスで中身がバラバラになってしまいます。

ピニオンギアとベアリング。

ボディガードを外しました。

ネジを4か所外します。

ドライブギアが出てきました。

少し変色していました。

ボディ内部は問題なさそうですが、若干グリスが多い印象です。

中間ギア付近のグリスは劣化?

19ストラディックと比べてみましたが、形状は同じでした。

材質はそもそも違いますので、19ストラディックがフラグシップに迫る技術特性を投入してきましたが、細部はやはりステラには敵いません。

ベアリング類

グリス過多なのと、少しグリスが硬くなっていました。

ギア類、メインシャフト、摺動子付近のパーツ。

特に問題なさそうですが。

ボディ内部を洗浄します。

リテーナとゴムパッキン、ローターナットとベアリングを洗浄。

ベアリング、ギア類もパーツクリーナーで洗浄。

メインシャフトも

摺動子内部も分解清掃します。

異音対策の為に18ステラからベアリングがブッシュに変更になっています。ブッシュにはO-リングが装着されたことでガタつきが無くなります。

洗浄完了です。

パーツクリーナーで除去できた汚れです。

交換&組み上げ(1回目)

フタ側のベアリングにざらつきがありました。

手持ちのオープンベアリングに交換してみたところ。

巻き感が改善しました。

ウォームシャフト上下のベアリングもオールチューンです。

中間ギアもオイルチューン。

摺動子はシマノ純正グリス(DG6)を添付します。

ウォームシャフトも同じくグリスアップ(DG6)します。

摺動子ガイドはオイルアップ。

ドライブギアはDG13で全体を薄くコーティング。

組み上げます。

とりあえず完了しました。

ベアリングの交換のみで良化しない為、再調整。

問題点

いくつか気になった点がありました。

ドライブギアの劣化。

メインシャフトのゆがみ。

ベアリングの摩耗。

水没している可能性がやはり否めないので、結果的にボディ内部ベアリング4点交換となりました。

ドライブギアの劣化、メインシャフトのゆがみがあるかどうかのチェックとして、手持ちの19ヴァンキッシュのギアと交換してテスト。19ストラディックのメインシャフトと交換してテストをしました。

交換&組み上げ(2回目)

その前に再調整水没リスクがある為、ハンドル・スプール・ドラグノブ・ラインローラー部の清掃を実施。

ハンドルノブ清掃

ベアリングの脱脂と注油を行いました。

ベアリング自体は問題なしでした。

1つだけベアリングが違います。

オイルアップします。

スプール清掃

ドラググリスはそのままにしておきました。

軽くふき取るのみにとどめておきました。

ベアリングはオイルチューン。

ドラグ部清掃

ベアリングはオイルチューン

ローター組点検

ベール部を取り外し、状態を確認。

特に汚れなし。

ラインローラー部清掃

ここも綿棒で少し汚れをふき取り、わずかにオイルを指しておきました。

DLCラインローラーで表面強度が高い一体型のラインローラーです。

特に汚れもなく。

汚れをふき取り、軽くグリスを添付。

ローターにはシムを一枚入れています。

ベアリング交換(その1)

ベアリングが到着しました。

ヘッジホッグスタジオの防錆ベアリングです。

ボディフタ側のベアリングとピニオンギア上部を交換します。

交換します。

交換します。

テスト(メインシャフト)

テストでメインシャフト組を組み替えてみました。

上がステラ、下が19ストラディック

ステラは摺動子ガイドが2本

19ストラディックは1本

修道子ガイドが2本から1本になるため、抵抗が少なくなるので、巻き感は軽くなります。ただし、ガタが出ることと、ノイズはそれほど改善しませんでした。

テスト(ギア3点)

ギアの比較です。

左から、19ストラディック(ノーマル)、19ヴァンキッシュ(PG)、18ステラ(ノーマル)

ヴァンキッシュのPGに交換して、ノイズが明らかに低減しました。恐らくドライブギアの線キズがあるので、塩ガミしているか、少し歪みが出ていることが考えられます。

以下、通り線キズがあります。

変色があります。

ベアリング交換(その2)

ピニオンギアの下部をMNBのベアリングに換えてみました。

やはりここも交換してみてノイズがありました。

ボディ側のベアリングも交換します。

脱脂せずにオイルチューンで。

作業完了

ヴァンキッシュのPG化でご了承いただきましたのでこのまま返送します。

PGへ交換したことにより、ギアノイズが減り、巻き抵抗が下がったことで巻き心地が良化しました。

ベアリングの交換により、ノイズが低減しました。

ありがとうございました。

コメント

  1. 依頼人様 より:

    こんばんは。先日はステラのオーバーホールを迅速にご対応頂きありがとうございました。
    本日使用させて頂きましたが購入時よりもあきらかにシルキーさが増しており、巻き心地がとても軽く、ノイズもほとんど気にならなくなりました。
    友人にも試して頂きましたが友人も『最初よりも凄く巻き心地が良くなりノイズも気にならなくなったね。』と言ってもらえました。
    細かい部分も親身になって対応して頂けるので他のリールもまたオーバーホールをお願いしたいと考えております。
    今回依頼させて頂いて良かったです。また次回もよろしくお願い致します。
    この度は丁寧に迅速なご対応ありがとうございました。

  2. ともにぃ より:

    ご依頼人様
    この度はオーバーホールのご依頼頂きありがとうございました。非常に精密かつ精巧に仕上がっているリールなだけに、原因の特定に時間が掛かりましたが、無事良い状態まで仕上げることが出来て安心致しました。
    改めて不具合などあればまたご連絡下さい。
    今後とも宜しくお願い致します。

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