18ステラC3000XGのオーバーホール依頼をいただきました。巻き違和感があるということです。

お知り合いの方にOHしてもらったそうですが、良くならないということでご依頼頂きました。
オーバーホール
巻いた瞬間にギアノイズだということが分かりますね。あとシムがキツイです。
とりあえず分解です。

ローターナットベアリングの向きが逆ですね。おそらくどちらでもよいと思いますが。
ラインローラーをばらして、グリスをふき取ります。

フッ素グリスがきちんと仕事をしていますね。

ラインローラー以外のパーツは洗浄して、グリスアップです。
スプール、ローター、ハンドルもばらします。

ハンドルのシム追加です。

0.015mmですが、0.20mmだとキツイので、0.03mm追加します。
ハンドルノブのベアリングには、BOREDのHYDRAとBSLRで仕上げています。

続いてボディを確認。
ローラークラッチインナーの向きも逆ですね。

ドライブギア。

ピニオンギア、ケミカルバランスは問題ないんですが。

ボディ奥にシムがあります。

0.1mmが2枚。
気持ちはわかりますが、この部分のクリアランスを詰めてもあまり効果がないですね。きつすぎるとギア間のクリアランスが出来過ぎてゴロツキが出てしまうことも。
洗浄します。

ボディ側のベアリングにダメージが出ていますね。

ザラツキはそれほどないんですが、フレが大きく圧が掛かり過ぎたのかもしれません。
ピニオンギア上部のベアリング下にシムが入っていますが、この面もあっているのでいらないと思います。

いったん、ボディ側のシムをぬいて、ドライブギアのシム0.15mmと0.075mm(0.08mm?)の代わりに0.03mmのシムを入れてテストします。

ガタツキがありますね。ギアノイズは取れないので、ギア交換は必須ですね。
ギアを3点交換します。

オーバーホールをしていると不具合に対し、何かを付け加えること(足し算)をしたくなるのはわかります。
でも実際はいらないものをどうそぎ落とすか、が重要だったりします。
グリスアップです。

BOREDのDELTAとOMEGAを添付です。

ドライブギアのシムですが、0.20mmでテストしましたが、結局元々のクリアランス(0.23mm)で落ち着きました。
なお、ピニオン上下、ウォームシャフト上下、ローターナットベアリングはBOREDのCHIMERA、一部NEMEAで仕上げています。

ピニオンギア下はドライブギアのグリスが流れて混入して重くなったりザラツキが出たりするケースがあります。
その為、同系統とオイルを注しておくのが良かったしますね。ただ、使用環境やメンテンス方法に左右されるのでその時々です。
ピニオンギア上部に0.1mmのシムをいれます。

ローターナットのテンション調整の為ですね。
最後にメインシャフトにBALBOAを添付して馴染ませます。

作業完了しました。
ローターのテンションがうまく抜けていて、比較的滑らかなリーリングですね。
少しギア鳴りがありますが、比較的状態がいいと思います。少しガタツキを感じるかもしれませんが詰めるとギアにダメージが出る可能性がございます。
ありがとうございました。

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