21カルディアFC LT2000Sの3台のオーバーホール、チューニング依頼をいただきました。
3回ほどの使用だそうです。ざらつきとノイズがひどいので、IOSケミカルチューンを行います。
1台目(A)
リールフットAと記載のある個体から。
ハンドルは社外製で、このリールにはゴメクサスのチタンノブで作業します。
ラインローラー、ハンドル、スプールを洗浄します。
ラインローラーベアリングにIOS-01を添付します。
周辺はIOS-02を添付。
ドラグワッシャーはしろくまを使用します。
しっかり添付してなじませます。
ベアリングはIOS-02を添付します。
ハンドルノブのシム調整です。
0.10mmと0.03mmを追加します。
ハンドルノブもIOS01&02の混合で仕上げます。
マグシールドは除去します。
スプール、ローター周り終わりました。
ボディ内部です。
ギアが黒くなっています。グリスが流れていますかね。
ベアリングのグリスも少々浮いています。
メインシャフトのグリスが多いです。
ばらして洗浄します。
洗浄液の汚れです。
色はマグオイルで少し赤くなっています。
オシレーティングギア周りの回転がかなり重いです。
0.10mmですが、0.05mmに変更します。サイズが若干異なりますが、ベアリングの外径に合わせてシムを選択しています。
ギアが摩耗しているのがわかります。
亜鉛ギアなので、摩耗が早いのですが、シムが若干きついのが影響しているように思います。また注油によりグリスが流れたんではないかもしれません。
IOSのギアグリス。
少量をドライブギアにグリスアップします。
オシレーティングギアは、
スミスのリールグリスを使用します。
ドライブギアのシムを1枚抜きます。0.35mm→0.30mmに。
ボディベアリングはIOS02を添付しています。
ピニオンギア上部はIOS01ですね。
ローラークラッチも01ですね。それでは組みます。
ギアノイズが取れないですね。
ベアリングのざらつきはわずかにあるかもしれませんが、ギアノイズが強いので、実感としてはほとんどわからないですね。
2台目(無印)
続いて2台目ですが、リールフットに印はないですね。
こちらの個体はすでにマグレス化されています。
チューニング内容は1台目とほぼ同じです。
ハンドルノブのシム調整。
0.10mmとウェーブワッシャが入っていましたが、かなりきつめ。
0.05mmへ変更しましたが、少しガタがあります。
0.08mmで組みます。
ローラー、スプールは問題なしです。
ボディ内部です。ギアはほとんど汚れていないですね。
メインシャフトのグリスは多いですね。
こんな感じです。
洗浄します。
汚れも少ないです。
グリスアップします。
ここもグリスアップ。
組みます。
1台目と同じですが、オシレーティングギアシムを減らします。
この個体は違和感があまりなかったので、注油量も少ないのかもしれません。
ベアリング、ギアともノイズ摩耗が少なかったです。
3台目(K)
こちらも少しざらつきがあります。調整内容はほぼ同じですが、ボディベアリングを3点交換しました。こちらはドライブギアのみグリスのままとしています。
ばらします。
しろくまですね。
ハンドルノブのシム調整です。
オシレーティングギア内部のシム(0.10mm)を流用して、0.05mmのシムを追加します。
ここまでは特に問題はないですね。
ハンドルノブのベアリングですが、購入したノブに付属しているベアリングだとすぐにノイズが出たりしますので、ご注意ください。
もともとの精度が悪いものもございます。
ボディ内部です。
ギアが黒く変色しています。
グリスが多いですね。
メインシャフトにびっしり。
洗浄します。
マグオイルは別で洗浄したのですが、洗浄液も他の2台よりグリスが多いです。
ベアリングのざらつきがございます。ピニオンギア上部とドライブギア左右の雑味がございますね。なお、こちらはわかりにくいですが、ギアが少し摩耗していますね。
新品から使用20時間程度とのことです。亜鉛ギアなので仕方がないですが。
グリスアップです。
ここもグリスアップ。
マグシールドを除去します。
いったん組みましたが、ベアリングのざらつきが残りますね。
この個体のドライブギアのシムは0.325mmです。
0.025mmのシムを抜いてテストします。
関係ないですね。やはりベアリングノイズが大きいです。
ピニオンギア上部をIOS01のオイル仕上げで、
ドライブギア左右をグリベアリングに交換します。
やはりざらつきは取れないですね。
一代目もそうですが、ギア交換すれば一時的に良化すると思いますが、いったんこの状態でお返しする方向になりました。
ありがとうございました。
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