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チューニング依頼 23ヴァンキッシュ 4000MHG ハイパーチューン

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23ヴァンキッシュ4000MHGのスタートアップによるハイパフォーマンスチューン依頼です。

少しシュルシュルと異音があります。巻き重り感もございますね。少し脱線しますが、23ヴァンキッシュが初見なので詳細を紹介致します。

インフィニティドライブ

まずはインフィニティドライブです。

ローターナットブッシュの素材

22ステラの樹脂製ブッシュから、一体型ベアリングに戻っています。

個人的には精度はブラス?製の方が良いと思います。ただ、ベアリングのみの交換ができないので、ご自身で交換作業する方は少々コストアップしますね。

ピニオンギアの形状

19ヴァンキッシュから23ヴァンキッシュでインフィニティードライブが搭載されていますが、低摩擦ブッシュが搭載されていない件。

上部は非接触で。

下部は接触しています。

19ヴァンキッシュも同様なんですが、何が変わったのかというと。

元々は19ヴァンキッシュの青枠の部分あたりからピニオンギア内部とメインシャフトが接触してたようですが、23ヴァンキッシュでは赤枠部分のみがピニオンギアとメインシャフトの接触箇所になっています。

(内部を見ると段差があります。)

要するにピニオンギアの接触面積が減ることで、摺動抵抗が下がるということです。

低摩擦ブッシュは搭載しているのか?

低摩擦ブッシュと呼ばれるものは、ピニオンギアの上部には搭載していない(一体型ラインローラー内のブッシュが低摩擦であれば片持ちの状態です。)ので、公式HPのインフィニティドライブの説明を読んでもしっくりこないですね。

つねに主導権を握れる、パワフルな巻き上げ。

これまでピニオンギアで支持していたメインシャフトを特殊低摩擦ブッシュで支持することで摺動抵抗を大幅に軽減し、さらにメインシャフト自体に特殊表面処理を施すことで回転トルクを低減。高負荷時でも積極的に巻き上げられるリールへと進化しています。

シマノ 23ヴァンキッシュ公式HPより(https://fish.shimano.com/ja-JP/product/reel/hanyouspinning/a075f00003slvm7qac.html)

23ヴァンキッシュに搭載されている一体型ラインローラーは19ヴァンキッシュと同じものなので、ブッシュも同じものだと思います。

公式の説明だと19→23でブッシュの素材が変わったように勘違いをしてしまいますね。

インフィニティループ

インフィニティループですが、キモは中間ギア大です。

中間ギア軸の位置

下記写真の左側の軸が中間ギア大が入ります。いわゆるピニオンギアの動力をウォームシャフトを動かすために存在するギアです。右隣の軸が中間ギアCで回転数を減少させるギア。

中間ギア大は支え部が貫通していましたが、ヴァンキッシュは貫通していない状態です。

シュルシュルの原因箇所が中間ギア大とボディの接地面でして、貫通していないことノイズが出づらくなっていると思われます。(接地面は大きいままでバネで押さえる状態は変わらないので、個体バランスが悪いとシュルシュルと鳴ります・・・。)

オシュレートスピード変更?

で上部から見た写真ですが、左側の軸が中間ギアCですが、

2か所穴が開いています。

上部写真は本来入っていない側です。

恐らくオシュレートスピードを変更できるようになっています。中間ギアCとウォームシャフトギア(赤い〇がウォームシャフトの位置です。)までの距離は同じ(赤い線)です。

一方、青い線は長さが異なり、純正の方が遠くなります。近いということはギアの径を小さくしないといけない訳です。その為、中間ギアCのギア径が小さくなる(ギア比が下がる)ことで、オシレートスピードが上がるということです。

恐らく、ヴァンキッシュでの追加、もしくは下位機種やツインパワーでオシレートスピードを調整した機種がリリースされる可能性が御座います。

実際、もう少しオシレートスピードを上げて、中間ギアへの負荷を下げてあげた方が巻き感は軽くなりそうです。

ハイパフォーマンスチューン

前置きが長くなりましたが、ハイパフォーマンスチューンを行います。ハンドル、スプール、ローターは作業無しで進めます。

ボディを開けます。

全体的にグリスが若干多め。

ボディ内部のベアリングがOリングなしに変更されています。

Oリングでベアリングが固定されるとギアの巻きに違和感が出ます。ステラの際に感じていた違和感が解消されました。

中間ギアのグリスが多いです。

ウォームシャフトもグリスが多ですね。

ばらします。

洗浄します。

ウォームシャフト下のブッシュをベアリングに交換します。

Oリングですが、サイズを下げます。

左右とも内径6mmのOリングが入っています。

左側は内径8mmのベアリング、右側は内径7mmのベアリングです。右側へのベアリングの圧が強いので、5.5mmのOリングに変更します。(誤差かもしれませんが。)

ウォームシャフト下のシムを変更します。

0.37mm

ピニオンギアのシム調整。

0.60mm

0.58mm。

0.57mmで組みます。

ドライブギアをBOREDのDELTA。

全天候高粘度セミシンセティックグリスとして、ALPHAよりもワンランク、THETAよりもツーランク粘度をアップさせ、グリスの粘度を示すちょう度は2号となり、汎用では高粘度なグリスとなります。

グリスアップします。

ボディ内部はBOREDのOMEGA。

全天候超低粘度セミシンセティックグリス。THETAよりもハーフランク粘度をダウンさせ、グリスの粘度を示すちょう度は0号-とした超低粘度なグリスとなります。

添付します。

スローリトリーブで、カタカタと異音がします。色々確認しているとローターの内ゲリレバーが暴れていました。

グリスをしっかり添付して所、ノイズが消えました。

ピニオンギア上部ですが、0.52mmでちょうど良い位ですね。巻き重り感と巻きのノイズがあるので、ケミカルを見なおして再度グリスアップします。

ボディベアリングはBOREDのLIGHT DUTYを中心に仕上げました。

2015年10月のマイナーチェンジにより配合している添加剤を見直し、当社KRAKENやGOLYATよりも極圧性と減摩性を向上させ、 低粘度ながらも耐久性を併せ持つ性能となっています。

ドライブギアベアリングのシムですが、0.18mmでしたが、僅かに遊びがあるので0.01mm分追加します。

巻き感が良くなってきましたが、もう一息ですね。

Oリングなしで組んでテストします。

22ステラだと3000番、4000番はOリング有の方がフィーリングが良かったのですが、ローターの回転慣性が低いのでOリングなしの方がいいかもしれません。

中間ギア周りもオイルで少し粘性を下げます。

シャラシャラ感が抜けませんね。オイルを入れない方がいいんですが、巻きが重いんですよね。

中間ギア大を押させているバネを取ります。

上部と下部にシムを追加してクリアランスを取ります。ここのクリアランスはカチカチと異音が出るので丁寧に。

下部0.1mm、上部0.05mmのシムを入れました。

最終的にはOリング有でサイズを2ダウンします。

0.6mm→0.5mm、0.55mmのOリングへ変更します。外径がベアリングの内径より若干小さめにすることでドライブギアとベアリングの固定度合いを少し緩和してやります。

作業完了しました。

色々と試しましたが、若干個体特有のシャラシャラとしたノイズが完全に取れないですね。ピニオンギア上部は0.51mmなので、わずかに遊びがある状態ですが、ドライブギアはギリギリまで詰めました。Oリングの有無は好みです。

純正のOリングでもそこまで変わらないかもしれませんが、若干径を小さくしてやることでギアの違和感が若干緩和したと思います。

ありがとうございました。

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