前回うまくいかなかった音出しカスタムですが、
ご依頼人様よりご所有の11カルコン51DCをお預かりして、09カーディフに移植する方向でご依頼賜りました。
11カルコンを分解して09カーディフにパーツを移植
とりあえずパーツを取る為にばらして洗浄していきます。
このギザギザのパーツが音出しラチェットです。
これに爪(ピン)が掛かり音が鳴る仕組み。
バネのテンションでピンがはじくようになっています。
音出しツメの固定軸というパーツですが、ねじ込みなので外れます。
これを付け替えるんですが、問題があります。
下がカーディフの軸ですが、長さが違います。
ボディ内部のクリアランス自体もそのままの違いとなっており、スペースが無い為パーツを移植できないんです。
別の問題もあります。
以下、カルコンにカーディフの固定軸を取り付けた状態ですが、フレーム側の根本にブッシュがかみ合うように加工しているのが分かります。
下の赤い〇の箇所です。
写真がぼけてしまっていますが、
カーディフにはこの切り込みがなく、音出し用のブッシュが装着できないんですね。
フレームを削れば付かなくはないんですが、仮に削って付けたとして、次は軸そのものの長さを変えて、組み込むパーツの厚みを削る等、加工が多岐にわたります。
実際に組み上げてみるとこの通り。
1.5mm程度の隙間が出来て締まりません。
結局、パーツを加工すると戻せなくなってしまいます。そもそもパーツがうまく加工できるかと言うとステンレスを切削しないといけないので、現実的ではなくなってしまいました。
11カルカッタコンクエスト51DC OH
通常のOHを致します。
ベアリング1点交換。
作業内容はほぼ同じなんですけどね。
オーバーホール完了しました。
依頼頂いたのに完遂できず申し訳ございません。
ほとんど一緒ですが、何とかできないのか・・・。パーツを入手して加工できるか検証しようと思います。
ありがとうございました!