15ストラディック2500HGSをお預かりしました。

依頼内容はローターの不具合です。ローターとベール固定ネジが止まらないという内容ですね。
高強度樹脂製ローター
高強度樹脂製のローターの欠点と言えばいいんでしょうか。

この2点です。
- ネジ山がつぶれる。
- ローターが下がる。
今回はネジ山が取れてしまっている為、ローターの交換が必須の状態でした。

補修の方法
なお、ネジ山修復は出来なくはないのですが、エポキシやレジンなどを充填してネジ山を新たに削り出しすため、継続使用に耐えられない可能性があること、ネジ山作成時にローターが割れてしまうリスクがあります。
もう一点、修復の方法としては、ネジを太いものにすれば一応付きます。
元々のビスが頭が6.6mm、長さ7mm、M2.6のタッピングビス。

頭7mm以内、長さ7mm前後、M3タッピングビスがあれば、固定できる可能性はあります。なお、長さの調節をしない、貫通しちゃうと思いますね。タッピングビスの先をニッパーで切り落とす形でもOKだと思います。
分解・洗浄
とりあえずローターを発注している間にばらして洗浄します。

ローター周辺パーツも全バラシ。

洗浄しました!!

その他の交換は無しでした。

ギアも大丈夫ですね。

ボディ内部は不具合は1点。

メインシャフトの受けの所が削れています。ピニオンギアに引っかかってしまい抜けませんでしたが、何とか引き抜きました。

一応なめらかになるよう、ピカールで研磨します。(出来る限り削らずに引っかかりのみ無くなるように。)
ベアリングの汚れがひどい箇所がありました。
フタ側のベアリングです。

理由は分かりませんが、ここだけ他よりだいぶ汚れていました。

ベアリングの汚れは強いものの、洗浄してグリスアップしたところ全然使える状態です。ギア等も汚れはありましたが、状態は思ったほど悪くはありません。

洗浄完了です!!

ハンドル。

片側ブッシュなので、まあ回転はそれなりです。

ドラグノブ、スプール。

こちらも汚れは思ったほどでもなかったですね。

組み上げ。

シム調整は0.2mmのシムを抜いて、0.1mmのシムを追加。

外径13mmの方をベアリングの外側に入れています。
厚みが同じなのに、抵抗が若干大きくかかるので、0.01~2mm単位の調整の時に使えると思います。
残りの作業としてはローターの組付けですね。ローターが届き次第、作業再開いたします。
ローター交換とハンドルノブBB追加(20200715追記)
パーツが届きました。

ローター組ですが、ネジ山が無かったりするので、一旦パーツを仮組していきます。

このままだとぐらぐらなので、

0.1mmと0.05mmのシムで調整。

アームカム側も0.05mmのシムで調整。
グリスアップして。

組むとこの通り。

スキマなし!!

ハンドルノブをBB化します。

無事完了しました。

ありがとうございました!!
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