15TPに引き続き16ヴァンキッシュです。
スプール上始点でカチカチ、カチャカチャと鳴る音を改善したいという依頼です。
オーバーホール
初見にて、巻いてみてハンドルのガタがあるもののそこまで劣化している印象はなく、外観もきれいでしたが、ばらしてみて結構な使用感でした。
スプール、ハンドル、ドラグノブ。
ここはまあ、そこまで汚れが大きく目立つことは無かったんですが。
ラインローラーですね。グリスが劣化しています。
ローターは結構な使用感がありました。
綺麗に洗浄してグリスアップしました。
ローター、きれいに生まれ変わりました。
ローラークラッチもばらします。
組みます。
それでは、
ボディーを開きます・・・。
ドライブギアはきれいに見えますが。
ここですね。
音の原因となるメインシャフトの下にあるウォームシャフトピン周り、
ウォームシャフトのグリスが劣化しているのが分かります。
洗浄です!!
綺麗になりました。
ガタツキがあるので0.02mmのシムを追加してみます。
後で気づきましたが、恐らくピニオンギア上部のシム(0.05,mm)とドライブギアのシム(0.025mm)が入れ替わっているんじゃないかと思います。実際は、ピニオンギア上部の0.05mmのシムは抜いて、ドライブギアには、0.01の内シムを追加しました。
そして、カチカチの原因となる。
ウォームシャフトと。
ウォームシャフトピンを交換します。
純正の内部構造はこちらです。
この個体にはシムは無かったのですが、現状のパーツでシムを入れてテストしましたが、若干良化するんですが、カチカチ音は無くなりません。
そして、18ステラ世代のパーツを流用してみましたが、4000番ボディではうまく組み込めないようです。
見た目では行けそうですが、ピンが下始点から戻る際に少し引っ掛かりがあり、18ステラ世代のパーツを入れるのを断念しました。
それぞれの1000番手、2500番手同士だと流用可能ですね。
パーツ交換したメインシャフトのピンにしっかりとグリスアップして組み戻します。
ヴァンキッシュの仕上げとしては、ベアリングはピニオン上下オイルチューンでテストしましたが、純正のベアリングでは少しノイズがあるので、最終的にはグリスチューンにしました。
ギアグリスはIOSギアグリス、スミスリールグリスを混合して粘度調整しました。
特性はかなり似たグリスなので、巻き心地を調整するのに便利です。
出来る限りノイズの除去をし、ライトな巻き感が損なわれない程度にクリアランス調整しました。
比較的素直な個体でしたので、TPよりは早く作業を終えることが出来ました。
ありがとうございました!
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