23タトゥーラ LT2500S-XH-QDのオーバーホール依頼です。10回ほど使用されて少しざらつきが気になるということでご依頼いただきました。

目次
オーバーホール
ベール下がりということですが特に違和感はありませんでした。

ラインローラーを洗浄します。

NEMEAを添付。

BORED METHOD DIVISIONオイル製品中で中粘度長寿命低摩擦オイルをコンセプトとするNEMEAオイル。
既存製品のCHIMERAオイルで想定したコンセプトを継承し、更に海水にも完全対応した防錆性と高負荷にも耐える摩耗性を強化しながらもヌル付きやベト付きを極力排除したサッパリとしたフィーリングにより、機構や摺動を伴う動きを損なわず油膜の「耐久性」を重視したオイルとなります。
ハンドルノブですが、ベアリングがざらざらです。交換しシムを追加します。0.01mm分追加です。なお、社外製のベアリングはすぐにざらざらになるので注意が必要です。

スプールは使用感がないので、そのままにしています。

ボディ内部です。

亜鉛ギアですね。少し摩耗が出始めているかもしれません。

ちょっとグリスが抜けているような感じでしょうか。

オシレーティングギアが緩いですね。メインシャフトへ注油してグリスが伸びた感じでしょうか。

洗浄します。

特に汚れは気にならない程度ですね。

ボディベアリングはNEMEAをベースにドライブギア左右にはTHICK HEAVYを。
一般的なグリスの様に固形ペースト状ではなく、あくまでもオイルをベースとしながらも業界最高レベルの超高粘度に設定した効果により、オイルの浸透性とグリスの付着性を併せ持った性状が特徴となっています。
ピニオン上下はLIGHT DUTYを添付してなじませます。
2015年10月のマイナーチェンジにより配合している添加剤を見直し、当社KRAKENやGOLYATよりも極圧性と減摩性を向上させ、
低粘度ながらも耐久性を併せ持つ性能となっています。
グリスアップします。

BOREDのALPHAと
全天候中粘度セミシンセティックグリス。全天候中粘度セミシンセティックグリスとして、DELTAよりもワンランク粘度をダウン、THETAよりもワンランク粘度をアップさせ、グリスの粘度を示すちょう度は1号となり、汎用では中粘度のグリスとなります。
OMEGAを使用します。
OMEGAをアップグレードさせた最も油分配合が多く低粘度で強粘着なグリス。オリジナル耐水防錆添加剤の配合により海水使用に完全対応。他のMETHODウレア系グリスとの混合で粘着性や静寂性を付加。
センター出ししますよ。

ローラークラッチはCHIMERAです。
CHIMERAはミルスペック(アメリカ軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格)を上回る長寿命低揮発の油膜を維持、ヌル付きやベト付きなどの粘弾性を極力排除しサッパリとした質感のオイルとなっています。
いつも思うんですが、おそらく新品だと思いますが、ねじ山つぶれているんですよね・・・。こことベアリング抑え板のねじ山が舐めているケースが多いです。
今回は3か所のうち2か所が少しナメてます。

作業完了しました。
元々のざらつきはケミカルバランスの崩れですね。
ケミカルバランスを調整したことで軽くなり、がたつきは感じづらくなりました。ざらつきがありますが、ギアの摩耗はどうしても発生しますので、ある程度状況を見ながら交換対応を検討いただくのがよいと思います。
ありがとうございました。

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