13ヴァンキッシュLTD4000XGの修理依頼です。

ハンドルが異様に重い状態です。
目次
巻き重りの原因
ピニオンギア上部がほぼロック状態で固着しています。

ピニオンギア下もザラツキがひどいので、ベアリング2点で改善しました。
オーバーホール
ではオーバーホールしていきます。
ボディ内部の汚れから。

グリスが多く、オイルで流れています。

オイル注油を継続的に行うことで、グリスが流れてしまいます。ギア周りのグリスが抜けるとギア摩耗が促進しますので、ボディ内部への注油はグリスの方がいいです。

ただ、スプレーグリスが厄介で、吹き付けすぐはオイル並みに緩いので、定期的にOHしないとボディ内部の劣化はどうしても発生します。

洗浄します。

ドライブギア左右は洗浄して、シマノ純正グリスDG06を充填しました。
ドライブギアをグリスアップします。

アブガルシアのリールグリスです。

ウォームシャフトもグリスアップです。

こちらはBOREDのTHETAを添付します。
ALPHAよりもワンランク、DELTAよりもツーランク粘度をダウンさせ、グリスの粘度を示すちょう度は0号となり、汎用では低粘度なグリスとなります。
続いてローター、ハンドル、スプールを分解して洗浄します。

全体の汚れです。

ラインローラーのザラツキがあります。

こちらは高耐食ベアリングに交換します。

BORED METHOD DIVISIONオイル製品中で中粘度長寿命低摩擦オイルをコンセプトとするNEMEAオイル。
既存製品のCHIMERAオイルで想定したコンセプトを継承し、更に海水にも完全対応した防錆性と高負荷にも耐える摩耗性を強化しながらもヌル付きやベト付きを極力排除したサッパリとしたフィーリングにより、機構や摺動を伴う動きを損なわず油膜の「耐久性」を重視したオイルとなります。
NEMEAで仕上げます。

ラインローラーの異音はないですね。
CHIMERAはミルスペック(アメリカ軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格)を上回る長寿命低揮発の油膜を維持、ヌル付きやベト付きなどの粘弾性を極力排除しサッパリとした質感のオイルとなっています。
オイル添付が必要な箇所は基本的にNEMEAとCHIMERAを使用しました。

作業完了しました。

巻き重りは解消です。ギアノイズが若干あるのと、ドライブギアのベアリングのザラツキがわずかにありますが、滑らかになりました。全体が馴染めばもう少し良くなると思います。
ありがとうございました。
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