22イグジストLT2000S-Pのセンシティブチューン済のリールですが、ノイズがあるということでご依頼いただきました。
イグジストは専任の担当者がOHをするシステムをとっています。
そのため、販売価格に転嫁されており、若干金額が高く設定されているようです。
ノイズの原因
センシティブチューン済の展開図がないのではっきりとした原因特定ができないのですが、シンプルに2点違和感がありました。
1.ベアリング異常によるざらつき。
2.シム調整ミスによるギアノイズ。
作業内容を確認していきます。
分解
検証のために順番にばらしていきます。
マグシールドプレートではないです。
しかし、クラッチリングはマグオイルが残っています。
ローターの裏側を拭き取っていないんでしょうね。
ギアをチェック。
構造上、オシレーティングギアですが、
右側のふたを外すと回りにくくなるようです。
ここを疑ったのですが、関係なさそうです。
Oリングとシムが分かりにくいところに入っています。
ピニオンギアのベアリング大丈夫っぽいです。
ドライブギアのベアリングが1か所ダメになっています。
あと気になったのがOリングです。
こちらは無し。
Oリングのサイズは内径5mmです。
左側はこちらのストックです。
マグシールドベアリングからノーマルのベアリングに変更しているんですが、通常マグシールドベアリングの幅は4mm程度ですが、交換後は2.5mmになります。
2.5mmの幅に合うようなものに左側は蓋も交換しているんでしょうか。
ハンドル側のベアリングにざらつきがございます。
交換しました。
このベアリング取り出しにくかったのですが、ハンドルがドライブギア軸を押し付けて、ベアリングが抜けずづらくなるんですね。
左ハンドルでの使用でしたら、こちら側のベアリングが抜きにくくなります。
ケミカルとシム調整、組み上げ
あとはギアノイズが気になるのですが、いったん現状のまま組んでいきます。
IOSギアグリスを添付。
スミスリールグリスを添付。
ベアリングはIOS02です。
ワンウェイクラッチはIOS01ですね。
組んでみますが、ざらつきが消えません。
ドライブギアのシムですが、0.03mmのシムが3枚、0.10mmのシムが1枚、合計0.19mmです。
0.03mmのシムを抜きます。
次いでにOリングも外してクリアランスチェック。
抜いてちょうどよいくらいのフィーリングです。
ざらつきの原因を突き詰めていきます。メインシャフトもIOS01を添付します。
少しシムを戻します。
0.17mmでOリングも装着します。
行けたかなと思いましたが、逆ですね。
もう少しシムを抜きます。最終的には0.15mmへ。
これは、Oリングもいらないと思います。
クリアランスは問題ないと思いますが、ベアリングのざらつきがあるというか。シュルシュル感が抜けきらず。
ざらざらとしたフィーリングは少し押し付けて巻くとどうしても感じます。ギア交換してみて治るかどうか微妙なところです。
ただ、引っ張り気味、もしくは平行に巻くとクリアランス調整がうまくいっているので、ノイズがうまく取り除けています。
もともとの個体がそういうもの(いわゆる外れ個体)だと、ギアの問題ではなくフレーム歪みですね。それにしてもシム調整が0.03mmほどずれているのは致命傷ですね。その影響でギアにノイズが出たのかもしれません。
ありがとうございました。
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