皆さん、リールメンテナンスしてますか。
お金がないので、中々手が出ませんが、本当は、高級機種が欲しいですよね。
シマノのホームページにあるスペック表や、釣りブログ等を見ていると、安価リールのスペックの大きな分かれ目が、クロスギアとX-SHIPであることがわかってきました。
この内容が安価なシマノリールを購入する目安になれば幸いです。
もくじ
セルフメンテナンス
現在、自分が持っている最上位機種が13ナスキーC3000です。その次に17サハラ4000XG、16エアノスC3000と持っています。
最近メンテンナンスの仕方を勉強中です。
そして、17セドナC2000Sを購入したときにもいろいろ調べてみました。以前は17セドナC2000Sも持っておりましたが、購入後、2週間ほどで海にドボンと落としてしまい、
帰らぬリールとなったわけです。
シマノリールのスペック表に記載されている機能の違いと価格について確認する目的で、リールのオーバーホールとグリスアップの際に13ナスキーと16エアノスで違いを検証してみました。
13ナスキーと16エアノスの比較
同一のC3000番手で構造の違いを比べます。
サハラは4000xgで、番手が違うのでご勘弁を。
順番にパーツを外します。
ギアがみえてきました。
リール内部のパーツです。
左側が13ナスキー、右側が16エアノスです。
これは16エアノスです。エアノスにはローターブレーキがありません。
ローターブレーキとは?
ベールを上げた際に、回転しない構造のことです。
ベールを上げたままベールが回転すると、ベールが戻ったりしてラインブレイクの原因になります。その為、中級機クラスにはフリクションリングと呼ばれるパーツがローラークラッチの下部に装着されており、ローターブレーキと呼ばれています。
以下は13ナスキーですが、ギザギザのリングがあると思いますが、これがフリクションリングです。
パーツ価格表では300円です。
x-shipによる違い
シマノホームページより引用
ドライブギアの大径化、ピニオンとドライブ両ギアの最適配置、ピニオンギアのベアリングによる2点サポート。これら頑強なギアの噛み合わせが、負荷に強い軽快なリーリングを保持する。
シマノHPより引用
つまり、ピニオンギアの下部にボールベアリングを使っているかどうか ということです。
ピニオンギアのボールベアリングによる2点サポート とあり、これが重要な点です。
この写真の真ん中にある棒がピニオンギアでリールを回転させる為の機構です。
左右の縦に3つ輪っかが並んでると思いますが、一番上の右側にあるのがエアノスの部品のカラーで、左側にあるのがナスキーの部品のボールベアリングです。
x-shipによる違いは、
ピニオンギアの下部がボールベアリングであるかどうかという点のみ
と言っても過言ではないです。
ドライブギアの比較
ドライブギアを並べてみました。
13ナスキーと16エアノスのドライブギアですが、おそらく同じものを使っています。
それぞれの価格は600円です。
13ナスキーと16エアノスのギアが同じで、それぞれの違いはピニオンギア下部のボールベアリングの搭載有無のみとなります。
13ナスキーはボールベアリングが搭載されているのでX-SHIPということです。
17シリーズのドライブギアは?
一方、17シリーズのドライブギアは900円です。
いわゆるHAGANEギアによる価格差であると思います。
HAGANEと表記されています。
本物の鋼ではなく、あくまでアルミをハガネのように硬く加工したという意味のようです。
ドライブギアの良化
16ナスキーのHAGANEギアであるドライブギアの単価が900円です。
以前の13ナスキーの亜鉛ギアが600円。
その差額が300円。
HAGANEギアと呼ばれる金属をドライブギアの歯部のみに搭載の為、価格を抑えているみたいですね。
一方、17アルテグラのドライブギアはフルHAGANE仕様の為、2,000円です。
シマノのX-SHIP(エックスシップ)って、結局何?
X-SHIPって、結局ギアの構造ではなくて、ベアリングなんですよね。
年式に関係なく、Sカム方式のリールの場合はピニオンギアの下部がボールベアリングの機種はX-SHIPとなるようです。
ボールベアリングの違い(S A-RB)
13ナスキーのパーツ価格表を見ると、S A-RBという防錆ボールベアリングを使用しております。
13ナスキーのベアリングは1,200円ですが、16エアノスのボールベアリングは600円です。価格が倍の開きがあり、この違いで回転性能が大きく変わりました。
ちなみに、16ナスキーと17サハラのベアリングは600円でした。
要するに・・・、
16ナスキーに比べて、13ナスキーは圧倒的になめらかな回転だと推測できます。
ピニオンギアの長さ
先ほどの写真のピニオンギアの長さの違いがあるのはわかりますか。
長い方が13ナスキーなんですが、実は組み上げる際に誤って逆に組んでしまいました・・・。
その際にボールベアリングも入れ違いに組み上げてしまいました・・・。
長さが違ったからわかったものの、同じ長さだったらそのまま気付かなかったかもしれません・・・。
で、組み上げたことで何が起きたかというと・・・
13ナスキーの回転は劣化して、
16エアノスの回転が劇的に良化しました。
ボールベアリングの改悪
S A-RBですが、17シリーズからはアルテグラ以上から搭載されています。ただし、17アルテグラに関してはラインローラーのみS A-RBが搭載されています。
以前は5BBすべてS A-RB搭載だったので、ベアリングの性能は明らかに改悪されていることがわかります。
13ナスキーに関しても4BBすべてS A-RB搭載ですが、16ナスキーに関してもアルテグラと同様、S A-RB非搭載になっています。
1,200円×4=4,800円(S A-RB搭載の場合)
600円×4=2,400円(S A-RB非搭載の場合)
ベアリング数
13ナスキーは4つ、16エアノスは2つです。
ベアリングの数による影響をお伝えしましたが、リールハンドルの根元にも、ベアリングを搭載している機種としていない機種があります。
左側が13ナスキーのドライブギアのボディ側のベアリングで、右側が16エアノスのドライブギア用のブッシュで、いわゆるカラーと言われるプラスチック製の輪です。
色々見ていきましたが、
結局低価格帯のリールの回転性能に違いはボールベアリングなんですよね。
16エアノスはピニオンギアの片側も下の写真のようにカラーなので、この点をボールベアリングに交換して、X-SHIP化することで改良の余地があります。
左側が13ナスキー、右側が16エアノス、ピニオンギア下側の部分です。
ハンドルの根元のカラーとピニオンギアのカラーの2つをベアリングに変更するだけで、劇的な改善が起きると思います。
釣りのリール用でなくても、ラジコン等のものでも、ボールベアリングは200円から300円位で購入できます。
ボールベアリング化については、別の機会にチューニングしようと思います。
【20170928追記】
16エアノスのハンドルの根元のカラーをボールベアリングに変更しました。
摺動子(シュウドウシ)構造
17アルテグラ以上の上位機種との大きな違いは摺動子(シュウドウシ)構造の違いです。ウォームシャフトオシュレーションと言われる駆動システム(スプールが上下に動く)が
クロスギア構造 か、
S字カムギア構造 か、
という違いです。
13ナスキー以下はS字カム構造と言い、ギアに負荷がかかってしまう作りです。比較的安価なモデルに搭載されております。
性能面ではクロスギア構造のほうが良いとされています。
まとめ
結論ですが、
13ナスキーから16ナスキーに関しては、
完全にスペックダウンです。
メンテナンスをして、パーツ価格表を見て、いろいろ比較してみて、今回収穫がたくさんありました。
結局、自分で色々試してみるということが重要ですね。
今回は、くみ上げの失敗から学びました。一つだけ言えることは、13ナスキーはハイスペックでコストパフォーマンスは非常に優秀だ。ということですね。
16ナスキーに関しては・・・、
ベアリングがダウングレードしていることには、なかなか気づかないでしょう。実際に使用感に差が出てもおかしくないです。他の仕様が改良したことでカバーできているんでしょうか。
また、16ナスキーと17サハラの差が無さすぎですよね。
リールは釣りの中でも重要なファクターで、メンテナンスしないでずっと使い続けるのは不可能ですし、価格差が性能の違いだとすれば、選択する機種もおのずと見えてくると思います。
例えば、ローターブレーキがいらないのであれば、この価格帯では17セドナ一択でしょうね。ピニオンギアの内部のベアリングを一つ追加するだけで、ほぼ17サハラになります。
メンテナンスの為に
今回メンテナンスの際に使用したオイルとグリスです。
リールオイルは、ダイワリールオイルⅡです。
これは本当に使いやすいですね。
グリスはアブガルシアのリールルブを使いました。
初めて使ってみたので、正直どんな使用感になるかはわかりません。ただ、安いのでとりあえずグリスをと思っている方にはおすすめです。
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