大体2年から3年位リールを使用していると起きる症状の1つです。外観がきれいでも、丁寧にメンテナンスしていても起きる症状なんです。
急激にハンドルが重くなって回らなくなる。
カタカタ鳴る。
原因
原因は大抵これですね。
フリクションリングの劣化?
いえ、劣化というより膨張ですね・・・。
上部の写真ですが、左側が膨張したフリクションリングです。
右側は新品のフリクションリングです。
ゴムの膨張?
エステル系のオイル、グリスだとゴムが膨張するそうです。。
つまり、メンテナンスを頻繁にする方のほうが、この症状が起きやすい可能性があります。逆に、PAO(ポリアルファオレフィン)系のオイルは収縮するそうなので、いずれにしてもオイルの使用の際は注意が必要です。
重ねてみた所、下の方が僅かに大きくなっています。
これは、中古で購入した15ツインパワーで起きた症状。
状態が良かったし、メンテナンスもしっかりされていたようですが、約3年程の使用によりパーツ類の劣化していたので、これは避けられないですね。
15ツインパワーのボディとギアは素晴らしい剛性感で劣化はほとんどしないので、このことに気付かずにたたき売りで手放す方や、捨ててしまう方も多いのではと思っています。
実際はどうなっているの?
でもフリクションリングが膨張して、ハンドルが重くなるかっていうと、オートリターンってご存知ですか。
ベールを上げた状態でハンドルを回してローターを回転させてベールを倒すという動作ですが(文字にして説明するのが難しいですね。)、この際、フリクションリングとボディ(正確には内ゲリレバーです。)に摩擦が掛かることでローターがずるずると回転することで、内ゲリ当タリというパーツにローター側の内ゲリレバーがアタリ、ベールが戻るという動作をオートリターンと言っています。
例えば、以下は15ツインパワーのフリクションリングですが、白いパーツわかりますか。
16ヴァンキッシュだと手前側の黒いパーツです。
これを内ゲリアタリと言いますが、
フリクションリングが膨張すると、ローターと内ゲリアタリが挟まって回りにくくなったり、引っかかってしまい、回らないという症状を起こします。
ただそれだけの事なんです。
解決方法
解決方法は簡単です。
フリクションリングを交換するのみです。だいたい350円で手に入るので、ローターを外すのみで解決できます。
この作業自体は、ローターを外すだけなので比較的簡単に出来ると思います。
セルフメンテナンスの境界
このように症状に対してコストを掛けずに解決することが出来るんですが、実は盲点があります。フリクションリングの膨張が始まると、経年劣化によりその他のパーツも不具合が出ていることが多いんですよね。
その為、せっかくなら各パーツのリフレッシュをした方が、不具合も出ずに良いというわけです。ただし、そうなるとボディを開けてオーバーホールになりますので、どうしてもコストが掛かってしまいます。
オーバーホールの目安は、使用開始から2年~3年をめどに考えてもらうといいかなと思います。そしてご自身でボディを開けるとなると、工具をそろえて、組み立て手順を確認して・・・、とハードルが上がってしまうわけですね。
フリクションリングのみの交換であれば、セルフメンテナンスが出来ると思いますが。
まとめ
長く使っていくのであれば、メンテナンスは必須です。特にベール・ローター周りのパーツはほぼ3年位で不具合が出てきます。
今回のフリクションリングに関して言うと、18ステラからは、フリクションリングのサイズが小さくなったので、不具合が起きにくい可能性があります。
膨張してもローターに影響が出づらいサイズになったためですね。
15ツインパワーとか、17セドナとか、フリクションリングのサイズが大きいので、ハンドルが急に重くなったと思ったら、ぜひ参考にしてくれると嬉しいです。
コメント