今回は、低価格帯のシマノリールのラインローラーのカスタマイズです。
ベール部分のラインローラーカラーとボールベアリングの交換を行います。ラインローラーカラーをベアリングと交換することで、
糸ヨレや糸ふけが出にくい、
なめらかな巻き心地を追求する為のカスタマイズです。
なお、ベアリングの洗浄とオイルチューニングこちらの記事にまとめてあります。
もくじ
2022/2/26追記
改めて廉価タイプのスピニングリールのラインローラーBB化の手順、作業内容を簡素にまとめました。
ご参考にしてください。
今回交換するもの
これです。
一番左にあるものがボールベアリングです。
真ん中(13ナスキー)と右端(17セドナ、17サハラ)にあるのが、ラインローラー部にあるラインローラーカラーです。
そうです、単なる輪っかです。
ラインローラーがなめらかに回るようにボールベアリングに交換することが今回のカスタマイズの趣旨となります。
17セドナ2500HGのパーツ価格表より参考に図を切り取ってみました。
交換するのは、16番(ラインローラーカラー)です。
対象となるリール
この3種類です。
左から、
17セドナ2500HG
17サハラ4000XG
13ナスキーC3000
なお、先にお伝えしておくと、16エアノスは交換できませんでした。
ベール部分のみ取り外して、ラインローラーを分解してみたところ・・・。
出てきたラインローラーカラーとブッシュは、パーツが一体化しており、ベアリングと交換できる作りではありませんでした。
ラインローラーの中のあるカラーブッシュです。
16エアノスのカラーブッシュは、金属で無いのがわかります。カスタムベースとして16エアノスは使えるかもと思っていました。
しかし、カスタマイズの幅は少々狭い印象でした。ラインローラーブッシュ(50円)を注文すれば済む話ですが、ノーマルのままラインローラーのBBチューンが出来ればそこそこいい機種だと思います。
価格的にも、
17セドナのポテンシャルが高すぎて、16エアノスの存在価値は見出しずらいスペックですね。
ラインローラーBBチューン
実際にラインローラーのBB化の手順を見ていこうと思います。ただ、それぞれのリールで手順はほとんど同じでした。
17セドナのラインローラーBB化
まずは、17セドナです。
ドラグノブを外して、ベール部分を分解します。
ラインローラー部を分解します。
7つのパーツが出てきます。
これがボールベアリングに交換するカラーです。
サイズが以下です。
内径4mm × 外径7mm × 幅4.5mm+2mm
触ってみたところ、金属ではありません。
プラスチックにメッキ加工したものの印象があります。ただ、なめらかでつるつるの素材ではあります。これを4mm×7mm×2.5mmのサイズのベアリングに変更するのみ。
17サハラのラインローラーBB化
続いて、17サハラです。
ベールのみ取り外します。
ベールのラインローラー部を分解します。
パーツが7個に分かれます。
(が、写真には7つ目のパーツである台座が分解出来ていませんでした。)
これがボールベアリングに交換するカラーです。先ほどの17セドナと全く一緒のものでした。
その他に使われているパーツも基本的に同じです。2500番と4000番なので、ベールのサイズがそもそも異なります。
が、個別のパーツは全く一緒です。
なお、17サハラですが、
14サハラと比較してラインローラーがベアリングでは無くなりました。
その為、事実上改悪個所となります。
その反面、17サハラのベアリングの設置場所は16ナスキーと同じです。基本的には16ナスキー同じ設計となります。
なお、シム調整を行わないとカラカラ音が鳴ることがあります。17セドナ・17サハラのラインローラー部のクリアランスの調整に関しては、こちらの記事を参照にしてください。
14サハラと17サハラの違いはラインローラーにある と言っても過言ではないでしょう。
ラインローラーのベアリングが無くなったことで、その点はスペックダウンしています。
なお、ベアリング数は、14サハラは3BBで15セドナも3BBです。
14サハラのボディのベアリングの搭載箇所は、16エアノスと同じ2箇所です。
14サハラと13ナスキーのラインローラーの形状は一緒のようですが、
ラインローラーにベアリングが入っている点は、14サハラの方が良いスペックとなります。
13ナスキーのラインローラー部
14サハラのラインローラー部
17番がベアリングです。
少し言い過ぎかもしれませんが、
13ナスキーのラインローラーにベアリングを追加するということは、14サハラのラインローラーとほぼ同じスペックになる ということです。
13ナスキーのラインローラーBB化
最後に13ナスキーの交換の手順を見ていきます。
ドラグノブを緩めてスプールを外し、ベール部分を取り外します。
今回分解するラインローラーです。
分解すると上記の9つパーツに分かれます。
このパーツをベアリングに交換するだけ。
内径4mm × 外径7mm(細いところは6mm) × 幅2mm、2.5mm、2mm
となっています。
ベアリングは4mm×7mm×2.5mm
幅2mmの両端の細くなっている所にシム等が無くてもきちんとマッチングしました。
完成した写真ですが、外面だけなのでわからないですね。
作業手順は、分解、交換、組立です。
ラインローラーの形状を確認しながら元通り組み上げて下さい。
紛失しやすいパーツ
これは、ラインローラーの内部にある音出しピンです。
16エアノスには非搭載です。
価格的には安いものです。
しかし、釣具店からシマノへ発注してもらわないと手に入らない代物です。
ちょっと傾けると外れてどこに行ったのかわからなくなります。
プラスチックのピンとバネが飛ぶと、ベール開閉時にカチッカチッという音が無くなってしまうので取り扱いをご注意ください。
16エアノスと17セドナの違い
16エアノスには音出しピンは搭載していません。
また、16エアノスのラインローラー内部のパーツを見てみたところ、基本的にはプラスチックでパーツが作られています。
一方17セドナは金属で出来ていました。
スペックの差は、こういう細かいところのパーツの違いが大きいです。
それにしても17セドナはコスパ最高のリールです。
おさらい
交換するパーツです。
左が13ナスキー、真ん中と右が17サハラと17セドナです。
カラーをベアリングに交換して、ラインローラーブッシュにセッティングしてみました。
左から13ナスキー、16エアノス(比較の為純正を配置)、17セドナ、17サハラです。
元々のカラーと今回交換するベアリングの形状が少し違いますが、違和感なくマッチングします。
交換前のパーツの一覧
上から順に、17サハラ、17セドナ、16エアノス、13ナスキーです。
13ナスキーがベール形状が異なる為、パーツの種類も若干異なります。
あと、すみません・・・、
一番下の13ナスキーのパーツ(上記セドナのパーツで言う13番の台座)が分解出来ていませんでした。
内部構造はほぼ一緒です。
特に17セドナ、17サハラは違いは本当に無いです。
ラインローラーのメッキのカラーリングが違うだけ。
交換後のパーツの一覧
同じく、上から順に、17サハラ、17セドナ、16エアノス、13ナスキーです。
ベアリングに交換して、リールの特徴がよりわかりやすくなったと思います。
構造的には、このリール類はほぼ一緒ですね。
非常にシンプルで使いやすいといった印象です。
まとめ
17セドナ、17サハラ、13ナスキーは、
ラインローラーカラーを4×7×2.5(mm)のボールベアリングに交換できる。
16エアノスは、純正のままでは交換できない。
しかし、ラインローラーブッシュ(17セドナのものでOK)を別途注文すれば、ベアリングと交換できます。(交換可能であることを検証済です。)
より精度を高めるためにクリアランスの調整についてはこちらを参照下さい。
ワンピースベール化のカスタマイズとローターの回転ブレの修正はこちら。
高性能ベアリング(2018/1/17追記)
ヘッジホッグスタジオというリールのカスタムショップのオリジナルのベアリングです。
今回使用したベアリングは、個体差が激しく、放置するとサビが出る可能性があります。
良いベアリングであれば、より感度の良い巻き心地を得られます。
予算に余裕がある方はぜひ。
【HRCB防錆ベアリング】 シールドタイプ
特殊な製法により金属そのものが非常に錆びにくい新しい技術を採用。
プレミアム(SHG)に比べ10倍以上の防錆性能を誇るソルト対応ベアリングです。
もちろん回転の滑らかさはHEDGEHOG STUDIOならではのシルキー感。
回転性能も耐久性もどちらも高水準で要求されるタフな釣りに最適。
ソルトアングラー待望の次世代防錆ベアリングです。
ヘッジホッグスタジオのHPより抜粋
ヘッジホッグスタジオのベアリングと一般的に販売されているベアリングの違い
町の模型屋さんや、ネットショップなどで購入できる数百円のベアリングは、
ほとんどがすべて、工業用向けに販売されているベアリングです。
これらのベアリングはモーターなどの電動機を使って回転させる事を前提に作られていますので、
そのままリールに組み込んでも、「回転が重い・ザラザラする」などの原因となります。
また低価格のベアリングはスチール製の物が多く、錆びに弱いため釣具向けではありません。
(ヘッジホッグスタジオのベアリングはすべてステンレス製ベアリングです。)リールは人の手で扱う物です。
1.5gと1gのスプーンを手に持てば、両者の重さの違いがすぐに分かると思いますし、1/16ozと1/32ozのジグヘッドも、重さがまったく違います。
わずか0.5gの違いが手の感覚でわかるなんて、すごいと思いませんか?
それほどに、人の手の感性は優れています。
当然、その手でハンドルを回す・・・つまり人の手でベアリングを回転させる訳ですから、モーターで回転させる工業用ベアリングとは異なる品質が求められるのです。ヘッジホッグスタジオのベアリングはリールに組み込む事を考えてチューニングされたベアリングです。
工業用ベアリングとヘッジホッグスタジオのベアリングはを手で回し比べて見ていただければ、その違いは、すぐにお分かりいただけると思いますよ。ヘッジホッグスタジオのHPより抜粋
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