前回に引き続きスリムフィットボディのリール3機種の比較となります。
今回は、3機種殻割りしました。
ボディ内部の考察です。
殻割り
早速ローラクラッチを外していきます。
16エアノスと18ネクサーブは同じローラクラッチですね。
左から18ネクサーブ、13ナスキー、16エアノスです。
ピニオンギアとベアリングを見る限り、それぞれ違いがありません。
あけました。
並べてみます。
左から18ネクサーブ、13ナスキー、16エアノスです。
18ネクサーブの内部です。
いつも通りでした。グリスがべっとりですね。
構造の違いがみられません。
ドライブギア、ピニオンギアを外してみました。
本当に同じ形状で、同じパーツを使っていますね。
それぞれの違いは5点です。
1点目はローラークラッチ。
ローラークラッチが13ナスキーは分解出来る形で、16エアノス、18ネクサーブは一体型になっています。
2点目はベアリング。
搭載しているベアリングの個数と、ベアリング自体のスペックの差。
18ネクサーブは3個、13ナスキーは4個、16エアノスは2個です。なお、13ナスキーのみS A-RBと言われる防錆ベアリングを仕様しています。
→次回、ベアリングを購入してカスタマイズします。
3点目はローターブレーキ。
フリクションリングという部品の有無の違いです。13ナスキーのみ搭載です。
ベールを上げた際にローターの回転を抑止する機構があるかどうか。
→次回、パーツを発注してカスタマイズします。
4点目はベールを返した時のクリック音。
13ナスキーは、ベールを返した時にカチッという音が鳴りますが、18ネクサーブ、16エアノス共にクリック音はしません。このクリック音は、純正パーツを二つ追加するだけでカスタマイズできます。
→次回、パーツを発注してカスタマイズします。
5点目はピニオンギアとメインシャフトの長さ。
→本記事の中段で比較しています。
結局、ボディ内部の機構の差で驚くような違いはありませんでした。
ボディ内部に関して、18ネクサーブと16ナスキーはベアリングの数以外は同じです。
ベアリングのハーフオープンとは?
バラしたついでに、ベアリングの調整を行います。
ベアリングの外径の付け根の所にくぼみがあります。
そのくぼみに針先を当てて、はじくと輪っかが外れます。
そうすると、その面のカバーが取れて、ハーフオープンが完了します。
中を見てみると、結構ギトギトですよね。
ペアリングの脱脂
ハーフオープンしたベアリングを順番に洗浄、脱脂していきます。パーツクリーナーにベアリングを漬け込みます。
10分位漬け込みましょう。たまにクレ556で洗浄する方がいます。(自分も以前そうでした。)
ベアリングに注油する際に556とオイルが馴染まず、溶かしてしまいますので、パーツクリーナーは購入した方がいいです。パーツクリーナーで洗浄する方が安く上がります。
18ネクサーブです。
13ナスキー。
16エアノス。
つけ終わりましたら、ベアリングを乾燥させます。
一通り乾燥したら、各ベアリングにオイルを指します。
オイルチューンが完了したら、元の場所に戻せばOKです。
ハーフオープンにすることで、回転がなめらかになること、ベアリング内部の汚れなどの掃除がしやすいこと、メンテナンスがしやすい等の利点があります。
リールを定期的に分解・清掃する方だと、ハーフオープンのほうがいいと思いますよ。
ギアの洗浄と調整
18ネクサーブ。
13ナスキー。
16エアノス。
白く濁っていたのは、18ネクサーブでした。
汚れ具合?
グリスの量ですかね、単純に。
ピニオンギアとメインシャフトについて
左から18ネクサーブ、13ナスキー、16エアノスです。
真ん中だけ長い。
13ナスキーのピニオンギアです。
メインシャフトも13ナスキーだけ長い。
組み上げていきます。
グリスもだいぶ落としました。
ギアに馴染むよう、ギアとオイルを添付します。
最後に各パーツを組み上げて完了です。
まとめ
あまり大きな発見はなく、ただ殻割りして内部を見たというだけででした。実際、16エアノスから18ネクサーブとなったことで、どこが変わったのかというと、ボディ内部では、ベアリングの搭載数と巻き心地の違いです。
この巻き心地は、全く違いました。
自分が所有している16エアノスに少しガタが出ている為、これほど違うのかという実感が湧くというのはある程度理解できます。
全体を通して、最も大きな違いを実感したのはドラグノブでした。どういうことかというと、支点の違いです。
以下は16エアノスのドラグノブです。
支点が2点となっております。そして、ドラグノブを直接回してみると分かりますが、少々ぐらつきがあります。
ファイト中も少し調整しづらいです。餌釣りであまり調節しないような釣りであれば気にならないと思います。ルアーフィッシングだと結構扱い辛いですね。
一方、以下が18ネクサーブのドラグノブです。
支点が4点で固定されているのがわかります。ドラグノブを回すと、細かくカチカチ音が鳴り繊細な調節が可能です。
またドラグノブ自体のぐらつきはほとんど感じません。
400円ですが、非常に優れた構造であり、上位機種も同じ構造になっています。具体的には16ストラディックCI4+も同じ構造でした。そして、このドラグノブに設置するスプールが、明らかに良化している為、非常にバランスの取れた低価格リールとなっていました。
分解してカスタマイズする自分にとって、唯一の残念なポイントはハンドルです。ハンドル自体は状態も良く使いやすいので問題はありません。決してハンドルが良くないということではなく、ハンドルノブを個別に外すことが出来ないので、カスタマイズの余地が残されていないという意味です。
今回、ボディ内部をあけてみてわかったことは、
ボディ内部の違いはほとんどありませんが、16エアノスのウィークポイントがきちんと洗い出されたうえで、18ネクサーブとしてしっかり作り込まれたリールだと実感しました。
18ネクサーブのカスタマイズ・改造記事はこちら
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