16ヴァンキッシュC2000HGSのロングストローク化、ハイパフォーマンスチューン依頼です。

カスタムリールで、ラインローラー2BB化、ウォームシャフト2BB化、IOS-Sシステム等フルカスタムの状態ですが、巻き重りとノイズがあるということでご依頼いただきました。
ハイパフォーマンスチューン
触った印象だと異常に巻きが重いです。
ローターを外すとフリクションリングになぜかフッ素グリスが添付されています。

しかもOリングの位置がおかしい。

摺動子ガイドがきちんとはまっていない。

メールでご依頼いただきますが、カスタムリールの振れ幅がすごいので、同じ内容でも実際は別物だったりします。
よくあるのは、巻きが重い。ざらつきがある等ですが、実際そこまででもないリールが多いんですが、このリールは確実に調整ミスですね。
ボディ内部です。

IOSのギアグリスでしょうか。

ピニオンギア上部のベアリングカサ上げのシムがきちんとはまっていなくて折れてます。

ピニオンギア上部のシムも0.075mmで少し分厚い印象です。

中間ギア周りにケミカルがまとわりついて重くなっています。

順番に洗浄していきます。

汚れです。

ロングストローク化はウォームシャフトを交換します。

14ステラのものを入れます。
ウォームシャフトピン内部が改造されています。18ステラ使用ですが、あり得ない位シムが追加されており、ウォームシャフトに思いっきり当たってノイズが出ています。

0.4mm分のシムが入っていましたが、0.1mmで十分でした。ここまで遊びをなくした調整はOリングの役割を損なっていますね。
押し付けず固定するための役割なので、できる限り遊びをなくすのでしたら純正のままのほうがフィーリングがいいと思います。
なお、中間ギアにはシムを追加。

0.10mmです。
BOREDケミカルでチューニング。

THETAですね。

ドライブギアのシムがかなりきついので、シムを減らします。

0.75mmですが、0.71mmへ。

ピニオンギア上部のシムを変更します。
0.05mmのシム、0.03mmのシムを入れます。
ベアリングの状態は良いですね。
ピニオンギア上部はLIGHT DUTY。
ドライブギア左右はNEMEA。

BOREDのオイルチューンで仕上げております。
一度組みましたが、さっぱりとしたフィーリングのほうが合うので、グリスを変更します。

スーパールブですね。

ドライブギアはまだきついので、シムを減らします。

0.75mm→0.66mmで仕上げます。
ピニオンギア上部は0.025mmのシムへ変更です。

もう少しですね。

ドライブギアは最終0.68mmで調整完了です。
続いてラインローラー部ですが、10ステラDLC2BB化されていますが、ブッシュが破損していました。

これはシンプルに交換します。

香川塩ビ工業さんの2BBパーツですが、アーム固定軸とワンピースベール間にあるシムは抜いて調整が必要ですね。

(写真右側のパーツです。)
少しローター振れがありましたが、アームカム側を重くしたところ、より振れ感が強くなったので、軽くする必要がありますが、軽量化できるパーツがないので、このまま組みます。

最終ハンドルノブの調整です。

スプールはそのままとしています。

ベアリングがザラザラです。

1つが致命的なざらつきですね。ヘイテン?というメーカーのハンドルですが、初期状態で付帯しているベアリングの精度が甘いので交換をおすすめします。

ミネベア製のものに交換しました。
シム調整を行います。

0.16mm

0.18mmへ。
軸方向ではなく、少しラジアル方向にがたつき(少しぶかぶかです。)があるのでこれ以上の調整は難しいですね。
作業完了しました。

最終にステラのスプールでテストしましたが、テーパーは合格だと思います。

ドライブギアのシムが多すぎたせいか、若干ギアのざらつきを感じます。
ギア摩耗によるものか、それとももともとの個体固有にあったざらつきか判断できないですが、元の状態と比べると断然巻き感が改善しました。
ありがとうございました。
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