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シマノのフラグシップ『22ステラ』のチューニングのポイントや分解の注意点について

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22ステラの小型番手のチューニングのポイントを紹介します。

また、以下の記事で破損しやすいポイントについて紹介するとお伝えしていましたが、時間がかなり空いてしまいました。

私の所有しているC2000Sでの検証になります。具体的にどのような不具合が出るのか紹介します。

※あくまで私の個人的見解を多く含みますので、参考にする場合は自己責任でお願い致します。

内ゲリアタリの破損

ボディ内部のOリングを取ると、ギアとベアリングが引っ掛かってスムーズに抜けないんですね。ベアリングはウォームシャフトに引っかかるので、ベアリングをOリング抜きのものに交換する場合や、ドライブギアのOリングを抜く場合は注意してください。

自分はどの程度の作業許容度があるかテストしてすでに2回折ってしまっています・・・。

現状自分の22ステラはオートリターンできない状態で組んでますが、パーツを入手してから修復する予定です。

左利きなので、フェザリングもやりづらいし、ほとんどオートリターンを使用しないので問題はないのですが・・・。

組む時は破損しないで組めるんですけど、取り外す時は引っ掛かるような設計になっているんですよね。

Oリング抜きの22ステラ分解方法

どうすれば分解出来るかというと、以下の写真の状態、つまりローターとローラークラッチを外した状態から説明していきます。

※写真等はなくテキストばかりでの記載となりすみません。

まず、抑え板を外して

・ピニオンギアを抜く

そして、ボディガードを外して

・摺動子ガイド2本を抜く

この時点でメインシャフトがぐらぐらになっているかと思います。

続いて、

・ウォームシャフト下のベアリングを取る

以上で準備は完了です。

この状態でボディネジを外して、

・フタとドライブギアを外す

そうすると、ピニオンギア奥のベアリングがメインシャフトやウォームシャフトに引っかかって抜けないということがなく、内ゲリアタリを破損することなく取り外せます。

注意点は以下です。

純正の状態だと慎重に行えば破損することはあまりありませんが、メインシャフトの位置を注意(下がり切った所でドライブギアを外す)してください。

ハンドルのガタツキの調整について

よく質問をいただくのがハンドルガタです。

原因はいくつかありますが、単純にハンドルガタが不快だという声が多いです。今回はドライブギアのOリングの径のサイズを変更してテストしてみました。

通常はM6で内径6mmのものが使用されているようですが、内径が5.5mmと5.0mmのものを用意してみました。

ドライブギア左右の軸は0.7mm、0.8mmですが、それぞれM6を使用しているので、0.7mmのボディ側の方がきつくハマるんですよね。

径を小さくすると線径が結果的に細くなり、ギアとベアリングの接着面はどんどん小さくなります。

しかし、Oリングを交換した結果、巻き感はあまり変わらなかったんですね。

小型番手の場合は、やはりOリングを抜くのが一番かもしれません。

Oリングを抜いた場合はガタツキが顕著になりますが、概ね0.02mmのシムを追加すればガタツキは極限まで減らせます。私の個体も0.02mmまでで留めていますが、0.03mmだと恐らくクリアランスが0の状態となり、巻き重りや使用とともにギア摩耗などが早期に発生する可能性があります。

また0.02mmでもシムを追加している状態なので、使い方次第では早期にギアの損傷リスクが出てきます。

この検証は1000番ボディに対する見解なので、中型番手からはOリングは抜かない方が巻き感が良い個体も有りました。

中型番手以上だとOリングの径を変えるのは有効かもしれません。

ピニオンギアのシム調整

ピニオンギアのシムについてですが、まずウェーブワッシャーを平シムに交換する効果はドライブギアの調整内容に左右されます。

Oリングを抜けば平シムの方が良いかもしれませんが、抜かないのであればウェーブワッシャーのままの方がフィーリングが良かったりします。

実際の所、ピニオンギア・ベアリング・ローラークラッチインナー・ローラークラッチカラー・ローター・ローターナットを締めて、ピニオンギアからローターナットで一体形成されている訳です。

しかし、ピニオンギアの下は、単に乗っているだけ(厳密にはベアリング抑え板があるので違います)なので、のシムを一定のサイズまで調整しても、ナットの締め具合には変化は出ません。

私の所有している個体は、0.39mmまで詰めてもノイズがあまり出ませんでした。通常は0.37~0.39mm前後で仕上げます。

なお、純正の状態で22ステラのローターナットは相当固く締まっています。

この状態はベアリングへ多少ダメージが出る可能性もあります。

その場合はピニオンギアとベアリングの間や、ベアリングの上部にシムを入れてやると締め具合の調整が可能です。

上部0.05mm、下部0.35mmで組んでみました。

(私の個体ですが、最終的にはピニオンギア下のみのシムで調整しています。)

注意点として、このピニオンギアのシム調整はドライブギアのクリアランスの影響かウォームシャフトとの位置関係が良いものでないときれいに仕上がってこないことがあります。

いわゆるアタリ個体と呼ばれるものです。

例えば、中間ギアの軸がわずかに斜めに入っているとか、いわゆるシュルシュルノイズがある個体はよりノイズが強く出たりします。その為、調整内容はピーキーですべての個体が良くなるものではないので、その点を理解してチューニングする必要があります。

ベアリング、ギアのケミカルについて

C2000Sでベアリングをオイルチューンにすることは巻き感度を向上させる効果があります。

ただし、巻き感度が良くなるだけで巻き自体が軽くなるかと言うと、そこまで大きな影響がないです。ローター慣性が高く、巻き出し以外は巻き重り感が感じづらいからですね。

反面オイルチューンはベアリングの消耗を早めてしまいます。

では、ギア周りのケミカルはどうか。

中間ギアは粘性の低いグリスがオススメで、オイル仕上げもフィーリングが良くなりますが、素材がエンジニアプラスチックなので、オイルの使用によりギアが早く劣化してしまう可能性があります。

ただ、粘性の高いオイルで保護力が高いのであれば大丈夫かもしれませんし、オイルの特性上、ギア素材を硬化させてしまうようなことがあれば劣化リスクが上がるということです。

鉱物油を使用していないBOREDのオイルや、粘性の選択幅が大きいグリッチオイルのケミカルをチョイスすれば適材適所のバランスが見つけられると思います。

ただ、粘性が高いからいいという訳でもなく、ボディとギアクリアランスを埋めてまとわりついて巻き重りが発生する場合があり、バランスが悪いとシュルシュルとノイズが強く出たりします。

その為、さっぱりとした持ちの良いグリスがいいんですが、ドライブギアや中間ギアに添付したグリスがそれぞれ混じったりするので、この辺のバランスが一番難しいですね。

ドライブギアは波面に残るものが良いですね。

IOSケミカルは?

今回はIOSのギアグリス、スミスのリールグリスを使用して仕上げました。

ウォームシャフトと中間ギア周りはスミスのリールグリスを添付。

粘性調整には、IOS-02PROを添付します。

IOS-02PRO は中高粘度(オイルの中ではかなり粘度の高い方です)。IOSオイル最高レベルの極圧性と防水力を誇り、豪雨の中の釣りや炎天下のトーナメント競技や雷魚釣りなど、特に耐久性を求められるヘビーユースの釣りに最適です。

ドライブギアはIOSグリス。

添付量を誤ると相当な巻き重りが出ますので、かなり注意して使用しないといけません。

粘度高めです!優れた潤滑性、クラス最高水準の対荷重性、ソルトでも安心して使える優れた防水性能、100%化学合成ならではの極寒から真夏の炎天下、そして風雨にさらされ続けるリールの心臓部とも言えるメインギアを守る、ハイスペック・ギアグリスです。

バランス良く組めるとある程度仕上がってきます。

ただオイルのバリエーションが少ないので、オイルでもっと細かくチューニングをする場合は、他のメーカーとちゃんぽんすることになりますね。

おさらい

結局、小型番手は感度を高める為にサイレントドライブとして搭載されている機構を排除することで、より滑らかで雑味の少ないフィーリングが得られることが御座います。

しかし、すべての個体で達成できるということではなく、パーツの精度や個体差によってまちまちであるということですね。

テキストでの内容ばかりでしたが、参考になれば幸いです。

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