24ツインパワーですが、インフィニティループができる可能性があるということが前回の記事でわかりました。
とりあえずパーツ手配中なのでインフィニティループの改造は改めて紹介しますが、今回は今年サービス開始予定のサービスの施工を行いました。
もくじ
ベアリングのナノカーボンコーティング(ドライ被膜形成)
いわゆるドライベアリング施工を行い、オイルチューンで組み戻すという内容です。
施工にはレボリューションBBを使用して、シールドを外したBBを脱脂洗浄して施工していきます。
施工後、オイルチューニングに使用するのはBOREDケミカルです。
ハンドルノブはBALBOAをメインにLIGHTDUTYを混合して使用しました。
ドライで使用する目的でナノカーボンコーティングですが、ドライ使用より実用性を求めるためにオイル仕上げの下処理を行っています。
回転がなめらかになる反面、若干ベアリングの鳴りが出る場合もありますが、粘性を軽くしすぎなければオイルチューンでの通常使用において寿命を長くすることができると思われます。
すべてのベアリングに施工し、ボディ内部やスプール受け等、負荷がかかる箇所にはNEMEAをメインに仕上げました。
極チューンの内容
極(キワミ)チューンの内容を24TPと23ストラディックで紹介していきます。
元々はハイパフォーマンスチューンとしてラインナップしていましたが、対象個体が限定されていること(18ステラ、22ステラベースのスピニング限定)と、精度が良くない個体の場合、施工することで違和感が顕著になる場合があるため、いわゆる裏メニューとする予定です。
シムの厚みを掲載していますが、個体によってまちまちなので、ご自身で作業する場合はあくまで参考としてください。
ウォームシャフト下のウェーブワッシャーキャンセル
多少ルーズに組む位の方が回転性能は向上します。
もともとスプールのがたつき(メインシャフトの上下の揺れ)を調整する箇所なので、厳密にシム調整した方がフィーリングが良くなります。
目安は~0.03mmまでの遊びは今日範囲です。
24TPは0.38mm。
23ストラディックは0.43mm。
中間ギア軸のバネのキャンセル
中間ギア軸にはバネが入っていて、いわゆるストップ&ゴーのカチカチとしたフィーリングや、チャカつき防止のための機能だと思われます。
14ステラ世代では顕著な違和感として依頼が多くありますが、18ステラ世代ではあまり発生がなく、実際、22ステラでは初搭載されています。
ただ、実際は中間ギア大とボディの回転擦れによるノイズ(シュルシュル等)の方が違和感を感じると思われます。そのため、バネを抜いてクリアランス調整を行います。
24TPは0.11mm。
シムサイズは2*4mmです。
23ストラディックも0.11mmでした。
この箇所にシムを入れすぎると巻き重りとノイズが出ますね。
ピニオンギア下のウェーブワッシャーキャンセル
分解したことがある方なら、言わずもがなピニオンギア下のシムです。
サイレントドライブの肝でもあり、個体精度が甘い場合はこのウェーブワッシャーが機能します。極チューンがすべての個体に施工できない原因がここですね。
24TPは0.40mmで組んでみました。
多少クリアランスがある方がフィーリングが良くなりました。
最終的には、0.37mmで仕上げました。
23ストラディックは0.43mmで組んでみて。
逆にクリアランスが気になるので、0.45mmで決まりました。
極チューンの内容としては、上記とシム調整を0.01mm単位で行う他、一部Oリング付きベアリングを見直し、通常のベアリングへ変更するなどを行います。
ベアリング追加カスタム
極チューンは基本的にはフルベアリング化しますが、例えばローターナットベアリング等は個体によっては施工を行わない場合もあります。
今回24TPの個体は、ウォームシャフト下のみ施工し、上部はベアリング手配中で、ローターナットベアリングは交換作業を行いませんでした。
以下は左側が22ステラ(23ヴァンキッシュ)のローターナットですが、
24TPは形状が若干異なります。
入れ替えてみるとわかりますが、24TPの方が少し深くなっています。
0.2mmのシムを足せば、ちょうど合います。
下に入れるか。
上にのせるかは、どちらでもよさそうです。
23ストラディックは形状が異なるので、ローターナットそのものを交換した方がいいですが、ブラスブッシュの精度が良く、このままでも使えるので結局交換せずとしました。
ガラスコーティング施工
ガラスコーティング施工後のリールパーツですが、ガラスコーティングって色々種類があるそうで、実際はガラス状のコーティングではなく、なんちゃってコーティングが多いようです。
例えば水性のガラスコーティング剤はシリコン由来のものが多く、実際はガラス状の被膜を形成している??訳ではなく、表面上のシリコン被膜によるコーティングがメインになっているようです。
erengeworksでは、シラザン50を使用したガラスコーティングを施工します。
本来のガラスコーティングは水に反応させて硬化させるプロセスが一般的ですが、シラザン50は添付するのみでガラス状の被膜が形成されるという便利なアイテムです。
※実際は空気中の水分と反応して硬化していると思われます。詳しい内容はメーカーのHPをご確認ください。
チューニングメニュについて
今回はスタンダートチューンにて仕上げております。ケミカルをBORED製のものを使用しており、ミドルスペックのケミカルとなります。
24TP
23ストラディック
OHのみだと、巻き心地に焦点を当てて作業をしないため、いわゆる巻きが重くなった、フィーリングが悪くなったというケースがございます。
チューニングオプションはそう言った巻き感にこだわった仕上がりを目指します。いわゆるOHのみの施工だと、耐久性や使用に関して不具合等はないのですが、使用感の変化やフィーリングが思わしくない等、そういったことができる限り起こりづらいように心がけて作業を行います。
施工完了!
BOREDケミカルによる極チューンとBBコーティング、ガラスコーティング施工完了しました。
巻き心地も良くなり、がたつきも改善。ノイズも低減しています。特に23ストラディックはカラカラとしたノイズがありましたが、かなり改善しました。
24ツインパワーですが、非常に良いリールだと感じますね。施工前とあまり変化がなく、完成度の高いリールですね。
※今回の作業内容の一部サービスは、まだ開始しておりませんので、開始の際は改めて以下のお知らせページにてご通知いたします。
コメント