前回はインプレの時も紹介しましたが、中古で購入した16ヴァンキッシュは少し巻き重りとノイズがありました。原因は分からないもののXG特有のものかと思っていましたが、一度全分解してゴロツキを改善しようと思います。
製造から約3年
OL-Sという表記になっています。
ちまたではリールフットのシールが製造を表していると噂されており、噂の暗号は以下になるそうです。
2016年12月製造なので、つまり約3年近く経つ訳です。
前オーナーの方は確か、2019年の初旬に購入されたものを私が7月頃に購入させていただいたので、購入時はほとんど使用されていなかったようですし、私も10回も満たない程度の使用です。
最近3年程使用されていないという15ツインパワー2500Sのご依頼でオーバーホールしました。
そして、中古で3年使用したツインパワー3000HGMを購入してオーバーホールしましたが、製造から3年というのは一つの節目かと思います。
あまり使っていなくてもパーツの劣化が認められますし、逆にメンテナンスをかなり丁寧に行っていても、オーバーホールを定期的にしていないと、どうしてもダメになるパーツ類があります。
大抵はローター、ラインローラー周辺が先にやられますね。
中古市場にあふれている!?
16ヴァンキッシュのこのC2500XGSは、特有の巻き重りとノイズで購入後すぐに手放す傾向にあるようです。
その為、購入した方が思った状態でないとか、状態が好ましくない
(実際は良くないのではなくて、調整が必要な機種ですね。ガマンして継続して使用していると、恐らくアタリが取れてギアが馴染みどんどん良くなっていきますが・・・)
ので手放してしまって、中古市場にはいい状態のものがたくさんあると言った感じでしょうか。
そして、スプールサイズの汎用性が低かったことで、18ステラシリーズから消失してしまうという・・・。
2500番ボディ&2500番ストロークにスプール径が43mmという独自のサイズ展開だったのが、18シリーズ以降は、1000番ストローク&2500番ボディに新設計のスプール径が43mm(前回の43mmはC2500以外の他機種との流用性は皆無)になったのです。
脱線しましたが、詳しくは上記記事を参考にしてください。
ラインローラー改造
とりあえずオーバーホールの前にラインローラーの2BB化です。
定番のヤツですね。
パーツ一覧です。
シムは内径4mm外径5mmですね。定番の10ステラのDLCラインローラーです。
ヴァンキッシュはトルクスレンチじゃなくてマイナスドライバーでOK。
基本的には10ステラの純正パーツと汎用のシム、ベアリングでOKです。
純正パーツの発注手順等はこちらを。
汎用シムの場合はこれを使います。
ラインローラーの厚みが若干違いますが、問題はないですね。
完了です。
15ツインパワーとの相違点
詳細の分解手順ですが、15ツインパワーの記事を参考にしてもらえれば基本的に分解が可能です。
相違点が少しあります。
内ゲリアタリの位置が逆。ローターの構造が異なる為ですね。
ボディガードを固定しているネジにアクセスする穴に内ゲリアタリのパーツを被せて固定しています。
かなり小さいネジで止まっています。
ベアリングの数とかマイクロモジュールギアかそうでないか、細かい違いはありますが構造上の違いはそのくらいです。
オーバーホール
ではばらしていきます。
全バラシからの洗浄
さすがにヴァンキッシュはパーツ点数が多いです。
3年程経っていますが、ほとんど使っていないので綺麗なもんです。
ギアの洗浄。
ベアリングの洗浄。
各種洗浄・脱脂完了です。
ボディ内部ベアリング4点。
ウォームシャフト周辺のパーツ。
ドライブギア、ピニオンギア、メインシャフトなどなど。
ローラークラッチ内部も洗浄します。
ピニオンギア内部の研磨を施します。
ローラークラッチの組み上げします。
ウォームシャフト付近がノイズの原因かもしれないので、クリアランス調整してみます。
摺動子内部の影響が大きいと判断して、シムを噛ませてみました。
なお、16ヴァンキッシュの中間ギア(S)やウォームシャフトギアはマイクロモジュールギアとなります。
組み上げ
ボディを組み上げる順番は、ベアリング装着して、ウォームシャフト上部のベアリングとウォームシャフトギアを入れて。
摺動子ガイドと摺動子を下から通して。
ウォームシャフトの下のカラーを入れてからフタをします。その際、摺動子ガイドを忘れない様に。
ピニオンギアを入れるためにベアリングを装着。
ドライブギアにソルトグラスを添付して。
被せます。
フタにベアリングを装着して。
閉じます。
ベアリング押さえ板。
シム??というのかな?リングを装着して。
ローラークラッチ。
ローラークラッチ押さえ板
コアプロテクトのパーツも装着。
イランと言えばいらんですが。
ローターカラーを乗せて。
ローターが乗りました!!
ナットを締めて。
ラチェットを装着します。
これで組み上げ完了ですね。
メンテナンスのポイント
ギア比がそもそも高いので、どうしても感度が高くなりすぎてしまい、セッティングがシビアになります。その為、巻き重りに繋がるポイントは徹底的に排除して、ノイズが出る箇所はしっかりとシーリングしてあげることが重要です。
今回、初めてIOS-01PROを購入しました。
このオイル、・・・何がすごいって、非ニュートン系だからすごいってことじゃなくて(非ニュートン系ってマヨネーズとかも非ニュートン系に分類される流体だそうです。)
あくまで使った際の私個人の印象としては、表面張力がすごく強くて、遠心力でオイル切れが無いということでしょうか。
これをボディ内部のベアリング4点に1~2滴程垂らすだけ。
その他はドライブギア、ピニオンギアはソルトグリス(DG13)、その他のギア類はナスカルブとDG06を合わせて粘度調整してます。
実際に、全バラシして、組み上げ時に丁寧にグリス、オイルアップしただけで巻き感が良くなりました。
IOS-01PROは本当にすごいオイルですね!
まとめ
元がいいリールなのですが、調整がシビアなので、結構気を使います。
抜群の仕上がりです。
それにしても、扱うグリス、オイルでここまで変わるとは。。。。一定の評価がある製品は、やはりそれ相応の価値があるんですね。
コメント