前回はPG化するために注文した19ヴァンキッシュと15ツインパワー、19ストラディックそれぞれのギアの比較を行いました。
今回は、ギアの交換の前に、比較的簡単に出来るベアリングチューンを紹介します。
もくじ
3BB追加の場所は?
それではベアリングを追加する場所を確認します。今回は以下3か所のベアリングチューンを紹介します。

この3か所ですが、実はボディを開けずにBB化出来るんです。
スプール受け
12番のスプールブッシュというパーツをベアリングに交換します。内径7mm×外径11mm×幅3mmのサイズのベアリングがジャストサイズです。

スプール受けをベアリングに交換することで、ドラグのすべりだしが良くなり、スプールのガタツキが無くなり、リーリングが安定します。
ラインローラー内部
30番のラインローラーカラーというパーツをベアリングに交換します。内径4mm×外径7mm×幅2.5mm です。
なお、このカラーでX‐プロテクトの撥水処理をして、ラビリンス構造?になっているパーツですので、X-プロテクトキャンセルになります。

なお、23番ですが、ローターナットそのものの交換が必要なため、今回は触りません。
ハンドルノブ
79番のブッシュをベアリングに交換します。ラインローラーと同じサイズ、内径4mm×外径7mm×幅2.5mm です。
ハンドルノブですが、個人的にはスチールのベアリングでもいいと思っています。(シマノさんはS-arb入れてるんですよね、ここに。)
今回はミネベアのベアリングより廉価なステンレスのベアリングを使用しています。

以下の商品リンクはスチールベアリングなので、定期的に点検をして不具合が出たら交換してください。
そんなにハンドルノブの不具合、出ないですが。
必要な工具
ボディを開けない為、2点でOKです。
0.89mmの六角レンチ
セットになったタイプでも大丈夫です。
ベッセルのヘックスドライバーをスプールシャフト専用として使用しています。非常に使いやすいです。
4mmのマイナスドライバー
特にマイナスでないといけないというわけではありませんが、プラスドライバーだと1番がいいですね。ハンドルキャップの中のネジと、ラインローラーを固定しているネジは緩み止めが添付されているので、回すの硬いですから。
用意したパーツ
今回用意したパーツはこちら。

今回赤字で記載したパーツですが、ベアリング以外使用しませんでした。
ラインローラーパーツの構造が、19ストラディックから大きく進化した為、ブッシュ等は交換せずベアリングのみ追加としました。
実際のカスタマイズの手順はこちら。
カスタム_スプール受け1BB追加
まずはスプール受けをベアリングに換えます。

ワッシャーを外して。

六角レンチの穴が出てきました。ここは0.89mmの六角レンチです。
緩めていくとイモネジが取れます。
そのまま外すと以下のパーツに分かれます。

このブッシュをベアリングに交換するのみ。

輪っかの留め具を紛失しない様に注意してください。
カスタム_ラインローラー2BB化
ここはマイナスドライバーのみの使用です。

ネジが取れると・・・

以下のパーツに分かれます。

ラインローラーブッシュの形状ですが、これまで見たことがない形です。

ラインローラーも見たことのない形状ですが、内部に防水の為かゴムリングが装着されています。

パーツクリーナーで洗浄します。
黒いカラーに撥水処理をしているようなので、この時点でおそらく撥水効力はなくなっているでしょうね。

黒色のカラーをベアリングに交換。
ラインローラーブッシュにベアリング2つをはめ込みます。

ラインローラーにはめ込んで。

ラインローラーベアリングカラーという黒いパーツでフタをして。

白い輪っかのラインローラースペーサーを装着して固定します。

ラインローラー組を軸に装着して。

オイル(ナスカルブ)を注して。

完成です。
ノーマルだと少し回転が弱いんですが、2BBにするとスムーズに回ります。
以前の2BB仕様の方が圧倒的にスルスルと回転しますが、新パーツで防水性能、耐久性が向上していることを信じて、このまま使用してみます。
カスタム_ハンドルノブ2BB化
最後にハンドルノブの2BB化です。
ハンドルノブのキャップですが、爪を隙間に入れて引っ張ると取れます。

中のプラスネジを外します。

緩み止めで硬いので、出来る限りナメないように注意してください。
取り外すとベアリングと、カラーが出てきました。

カラーをベアリングに交換します。

終了です。
19ストラディックのベアリングについて
前回の記事にも記載しましたが、ボディ内部はS-arbと呼ばれる防錆ベアリングではなく、廉価モデルと同じベアリングを使用していますが、ラインローラーとハンドルノブはS-arbを使用しています。
今回のベアリングチューンですが、ハンドルノブは廉価のステンレスのベアリングを2つ入れて、ハンドルノブに元々あったS-arbを取り出し、ラインローラーの追加分のベアリングをS-arbを入れました。
個人的には、ラインローラーのX-プロテクトでの撥水技術や、S-arbの防錆効果にはあまり信頼をしていない(というよりメンテナンスするので不要かなと思っています。)ですが、出来ればラインローラーでは不具合が出てほしくない為、S-arbでまとめた形を取りました。
ハンドルノブの方が簡単に調整できるので、それぞれの交換の手間を考えて、ラインローラー の方が長持ちしてほしいと思いました。
ただ、ハンドルノブのベアリングは最低のものでも不具合の都度変えればいいですし、最悪ラインローラーも同様、抜けて不具合が出ればベアリングを交換すれば良いだけですけどね。
次回予告
次回ですが、
ボディを開いて、66番・100番をBB化して、ドライブギア、ピニオンギア、中間ギアLの各ギア3点をヴァンキッシュのPGを移植します。

なお、88番ですが18ステラからベアリング非搭載となりました。
元々はベアリングが入っていましたが、オシュレートの際にコツコツ鳴る原因ではないかということで、外された可能性があります。
この部分にベアリングが入っていてもいなくても、ほぼ巻き感に影響はありません。
今回のカスタマイズで9BB仕様になりました。

最終的には11BB仕様、PG化カスタムの19ストラディック1000SPG改を紹介することになります。
今後のカスタムの余地について
それから、19ストラディックのカスタムの余地についてですが、11BB仕様以上のカスタマイズは出来ない訳じゃないです。
出来ることと言えば、マグナムライトローターを乗せることが一番回転性能を向上させるカスタムであることは間違いないです。
ただし、コストが掛かりすぎるので、現実的な内容ではないんですよね。ギアを入れ替えて、ローターまで交換すると、19ヴァンキッシュが手に入る位の費用が掛かります。
来年か再来年だと、CI4+機がリリースされると思うので、もう少しコストを掛けずにカスタムできるようになると思いますが...。
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