第5回目、PGギアへの交換とウォームシャフト上下にベアリングを追加の組み上げから仕上げまでを紹介します。
前回の記事はこちら!
バラしはそれほど難しくありませんでしたが、組み上げがポイントですね。
ギア洗浄
交換するギアをパーツクリーナーで洗浄します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5273-1024x682.jpg)
ドライブギアには調整用のシムが無くなっており、ギアの精度が高く不要ということでしょうか。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5274-1024x682.jpg)
確かに、ハンドルに気になるガタツキはなかったですね。
なお、ピニオンギアの下部にはシムが2種類。ウェーブシムかなと思いきや、別にウェーブしていない感じだし。
以前15ツインパワーとかはS-ダイレクトギアっていうピニオンギアにゴムリングを装着する構造だったんですが、あまりいい巻き心地に繋がらなかったので、結果的にシムに戻ってるみたいですね。
ボディ組み上げ
ギアの交換とベアリングを追加しながら組み上げていきます。
ウォームシャフト上部のBB化
まずはウォームシャフトブッシュをベアリングに置換します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5289-1024x682.jpg)
これはただはめ込むのみでOKです。
中間ギア(L)の交換
次に、19ヴァンキッシュの中間ギア(L)への交換です。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5285-1024x682.jpg)
写真のピントはボケていますがぴったりです。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5286-1024x682.jpg)
実際にはめ込むとこんな感じ。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5290-1024x682.jpg)
黒で見にくいですが。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5291-1024x682.jpg)
そして、メインシャフト、摺動子ガイドを通します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5292-1024x682.jpg)
ウォームシャフトを入れます。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5294-1024x682.jpg)
ウォームシャフト下部のBB化
ウォームシャフト下部のウォームシャフトブッシュもベアリングに交換します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5295-1024x682.jpg)
ただ入れるだけでOK。
ピニオンギアの交換
19ヴァンキッシュのピニオンギアに交換します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5296-1024x682.jpg)
シムはそのまま流用します。
中間ギア(S)、ウォームシャフトギアはオイルチューンで。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5297-1024x682.jpg)
ベアリングとベアリング抑え板を装着。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5298-1024x682.jpg)
オイルはこれを使っています。
ドライブギアの交換
19ヴァンキッシュのドライブギアはDG13を薄く添付して交換します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5299-1024x682.jpg)
ソルト用の固めのグリスですが、薄く伸ばして使うと巻き重りはほぼありません。
グリスアップしたドライブギアをセットします。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5300-1024x682.jpg)
ギアの組み換えとベアリングの追加が完了しました!
最終調整
無事ギア3点の交換とウォームシャフト上下にベアリングの追加が完了しました!!
それでは、ボディを閉じます。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5301-1024x682.jpg)
問題なくピッタリと閉まりました。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5302-1024x682.jpg)
ボディのネジ3点をしっかり締めて。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5303-1024x682.jpg)
ボディガードを装着。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5304-1024x682.jpg)
ローラークラッチの取り付け
次はローラークラッチを装着します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5337-1024x682.jpg)
実は、クラッチ内部をばらまいてしまい、組み上げに1時間もかかってしまいました。
なお、ローラークラッチのセッティングは向きに注意!!
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5326-2-1024x682.jpg)
青い印がネジ穴です。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5327-2-1024x682.jpg)
赤い印は凹凸を合わせます。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5338-2-1024x682.jpg)
テレコになるとネジが入りませんので、注意してください。
ローラークラッチの玉を抑える板をはめこんで。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5307-1024x682.jpg)
最大のポイントはここです。
この板ががっちり固定されている訳ではないので、下を向けると中身が出てしまうのです。
その為。写真のように。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5328-1024x682.jpg)
ローラークラッチを逆さまに持って、リール本体をローラークラッチに乗せるようにすると中身が飛び出しません。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5308-1024x682.jpg)
恐らく分解している最中にバラシてしまって、うまく組み上げられなくなった方もいると思います。自分も結構苦労しました。
このパーツはオーバーホール等に慣れていない方は分解しないほうがいいですね。
そして、ローラークラッチにローターカラーとフリクションリングをかぶせます。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5309-1024x682.jpg)
ローター取り付け
ローターを取り付けます。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5310-1024x682.jpg)
ローターナットで固定。
座金を入れて。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5311-1024x682.jpg)
ゴムパッキン(ローターベアリングシール)をかぶせて。
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リテーナーをかぶせて。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5313-1024x682.jpg)
プラスドライバーでネジを締めます。
ここ、外すときはマイナスがいいんですが、締める時はやり辛いです。
スプール受けを装着。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5314-1024x682.jpg)
音出しラチェット組の一式を装着。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5315-1024x682.jpg)
イモネジで固定します。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5316-1024x682.jpg)
スプールを乗せて完了です。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5319-1024x682.jpg)
まとめ
今回取り外したパーツと。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5317-1024x682.jpg)
ギア3点です。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_1858-e1568985372769.jpg)
初回の改造からだと5BB追加のベアリング化。
余ったパーツはブッシュとかカラーと呼ばれる樹脂製のものです。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5318-1024x682.jpg)
交換の影響として、自重は193.0gと従来とほぼ変わらず。
![](http://erengeworks.com/wp-content/uploads/2019/09/IMG_5320-1024x682.jpg)
11BB化の完成です。
PG化で5.1から4.6までギア比が緩和されたので、その影響によるものだと思いますが、デッドスローリトリーブでの安定したリーリングが可能になりました。
しかし、巻き心地はそれなりに良いといった感じで、既にローター自重による巻き慣性の強さがやはり気になります。
この辺の感覚はあくまで相対的なことなので、初めて手にしたリールが19ストラディックだと間違いなく感動するでしょうし、ステラとかヴァンキッシュと比較するとまあ・・・それなりでしょう。
ただ一つ言えることは、今後のリリースされる機種のパーツを流用すれば、マグナムライトローターや、PG化の交換におけるコストがより緩和される可能性があるということですね。
今回は、19ヴァンキッシュのギアを流用したのでコストは割高になりましたが、20年・21年かわかりませんが、ソアレCi4+PGがリリースされた際には、今回ほどコストを掛けずにPG化や軽量化によるエステルラインアジング仕様の19ストラディックを作成することが出来るだろうということです。
いろいろと書きましたが、
正直、この巻き心地も前回モデルの方が好きなのですが、掛けてからのやり取りは圧倒的に19モデルですね!!!
ちょっとやりすぎカスタムなので番外編です。
コメント
すいません質問なのですが
19ストラディックと18ステラの
ローラークラッチの部品は同じ物でしょうか?
18ステラを自分で分解したのですが
ローラークラッチがバラバラになってしまった時にバネを変形させてしまいました
18ステラと19ヴァンキッシュは
メーカー修理品で注文できないようですが
19ストラディックは注文できそうなんです
じべさん
コメントありがとうございます。並べて比べていないので確実ではありませんが、作りは同じなので、恐らく問題なく使えると思います。
ローラークラッチのバネですが、正しい向きで組んでも組み具合で正しく機能しないことがありましたので、自分がばらした時も微調整が必要でした。
正しいローラークラッチを組み上げる際も、ローラークラッチを下にしてリール本体をクラッチに乗せる様にすると、玉がバラバラにならずに組み上げることが出来ますよ。
ご参考になれば幸いです。
今日試しにステラのローラークラッチ注文したら何と注文できました(笑)
某リールメンテのブログには注文できませんって弊社だから注文できるんですって書いてたけど…
情報共有ありがとうございます。
そうなんですね、集客の為でしょうか。
パーツ価格表が紛らわしい表記なので修理依頼する人が多そうですね。
お世話様です。PG化の際、ウォームシャフトは交換されていない様ですが、その必要はないのでしょうか?
シマノの3000HGMをノーマルギア化を考えており、ご教授して頂けたらと思い質問させて頂きました。
お問合せありがとうございます。
3000HGMはギア比が5.8と整数比になっていないので、恐らく問題ないと思います。
13セフィアBBのノーマル→HGで6.0のギア比で、オシュレートが6回転で上下動のケースで、ラインがスプールの同じ所を通る現象がありました。
交換するギア比とウォームシャフトの溝の数を確認(何回転で戻ってくるか)すると、だいたいわかります。
ただ、19ストラディック3000番(ボディ4000番、ローター2500番)のノーマルギアのラインナップはありましたっけ?
ご返答ありがとうございます。
たしかに3000番のノーマルギアは有りませんが、3000MHGとはいえ4000番ボディなので4000のノーマルギアの流用を考えております。
今考えているのが、20ヴァンフォード 3000MHGをオモリグ用に購入検討しているのですが、巻感覚が合わなければ同機種4000番のノーマルギアに入れ替えを妄想してます。
こちらのサイト初めて来ましたが、よく見ると個人様でOH、メンテなぞ受けていらっしゃるのですね。
今度依頼してみようかと思います。(財布と相談しながらですが)
なるほどです!!
18ステラ世代から、3000番のピニオンギア、4000番と同じサイズになっていますね!!
今展開図見て気づきました!!!ありがとうございます!!
14ステラ世代は、ピニオンギアが2500番手と同サイズ(シャフト径)でしたから、3000番はより強度が高くなっていそうですね。
※今までずっと気付いてなかった事実です!
OHは機会があれば是非お願いします。
色々と気になったので、15TP3000HGMを分解してみました。
自分は2点勘違いしていました。
18ステラ世代から、3000番のピニオンギア、4000番と同じサイズになっていますね!!
→15TPで確認しましたが、ピニオンギア自体の長さは違うようです。4000番の方が長くなっています。
14ステラ世代は、ピニオンギアが2500番手と同サイズ(シャフト径)でしたから、3000番はより強度が高くなっていそうですね。
→3000番と4000番だと、ピニオンギアの内径が違いました。ピニオンギア下部は4000番と同じ6*10*3のベアリングでした。
つまりメインシャフトの太さが違うんですよね。
恐らく20TPや20ヴァンフォードも4000番のピニオンギアを3000番に乗せるのは難しそうです。
色々と誤った情報を乗せてしまいすみませんでした。
初めまして。
とても詳しく分かりやすく分解の仕方が書いてあり、ローラークラッチも記事通り自分もバラバラになってしまって、別記事の組み立てまでお世話になりました。
ありがとうございますm(*_ _)m
1つ質問よろしいでしょうか。
記事を参考に19ストラディックC5000XGを分解メンテナンスしてみたんですが、組み上げたらハンドルにガタが出てしまいました。
何が原因でしょうか。特に内部はベアリング追加などしていないのですが…。
とりあえずメインギヤにシム追加するかー、くらいで今考えているのですが、組み付け精度の問題とかあるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
のりっぽさん
参考にしていただきありがとうございます。
何点か考えられます。
1.グリスを抜くと感度が上がり、ノイズを拾いやすくなります。→グリスが流れてクリアランスが発生することも。
2.組付け時の精度によるものです。特にボディネジやピニオン抑え板、ローラークラッチ等のトルクや、ネジの向きで巻き感に影響が出ます。
→以前作業させていただいた方で、ドライブギアのシムが1枚外れてボディの側面に張り付いている方がいました。
3.1、2に関連しますが、クリアランスが生まれてガタツキが発生します。
4.1に関連しますが、ボディの感度が上がり、ハンドルノブ自体のガタを拾っている。
このくらいでしょうか。
一度ボディを開けると多少の調整が必要になることがあります。
空巻きの状態でのノイズは、人間側のコンディション??によるケースが多いです。
実釣してみても違和感があると調整した方がいいですが、実際はそのまま使ってみると問題ないケースもありますね。
いま分解図見てたんですが、多分シム間違ってるような気がします。
めっちゃガッタガタするんで組み立てた人間の問題だったようです…もう一度組み直してみます。
お手数お掛けしましたm(*_ _)m